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若手研究者の皆さんからのメッセージ
濱田達也(流体設計系 水槽試験技術研究グループ)
(平成23年入所)
中水槽-曳引車上にて  私の所属する流体設計系水槽試験技術グループでは、流体関係の様々な研究者と協力して模型船および模型プロペラを用いた水槽試験により性能の良い船型やプロペラの開発を研究しています。水槽試験技術グループで使用する水槽は、世界最大級の400m試験水槽、水深を変えて浅い海域での航行性能も実験できる中水槽、プロペラ単独試験や模型船とプロペラを取付けることができる2つの計測胴をもつ国内最大の大型キャビテーション試験水槽、砕氷船の実験を行う氷海船舶試験水槽、さらに全周に吸収式造波装置を備えた実海域再現水槽などがあります。
 私の業務内容は、これらの試験水槽で、抵抗試験、自航試験、伴流試験、プロペラ単独試験、キャビテーション中のプロペラ単独試験、波浪中の各種試験などを行っています。このように様々な水槽と試験の種類があるため、各水槽で様々な試験の準備から解析までの一連の流れを実際に試験を行いながら学んでいます。また、私のグループでは各水槽施設の保守管理業務も行っており、水槽試験に必要な試験装置と計測機器の保守管理も行っています。さらに、試験の効率化や試験精度の向上を図るために試験装置などの考案も行っています。
 海上技術安全研究所は、世界に誇れる高度な水槽を数多く備えています。これらの水槽を使って、水槽試験技術の開発や改良を行い、その成果を社会に還元していけるように水槽試験に励んでいきたいと思います。
 最後に、海上技術安全研究所に興味をもたれた方、船舶もしくは水槽試験に興味がある方は是非インターンシップや見学といった形で見に来てください。
塩苅恵(洋上再生エネルギー開発系 海洋利用環境評価研究グループ)
(平成23年入所)
打合せの様子(写真中央が筆者)  私の所属する洋上再生エネルギー開発系は、平成23年度に海洋開発系から分離・独立し、新たな系として発足しました。当系では、浮体式洋上風力発電や潮流発電等の海洋再生可能エネルギーの利用に関する基盤技術の開発や、安全性評価手法の開発と高度化に関する研究、海洋利用に伴う環境影響評価手法の開発を行っています。
 また、私は現在博士課程の学生として大学にも在籍しており、浮体式洋上風力発電施設の大規模展開時におけるリスク評価に関する研究で学位を取得する予定です。評価対象のリスクは大きく3つに分類され、風車の安定性・位置保持、環境影響、社会・経済的影響を総合的に評価する手法の確立を目的としています。
 入所以来、これまでに従事した主な仕事内容としては、洋上風力発電施設からの空中および水中放射音の観測と、ある船舶のリスク解析作業が挙げられ、前者の観測は博士研究テーマの一部である、風力発電施設の環境影響評価手法の確立にも関係しています。一方、後者のリスク解析は、当系とは別の海洋リスク評価系の研究テーマですが、博士研究テーマの主目的であるリスク評価手法の開発の参考のため、解析チームに参加させて頂きました。写真はその作業風景で、女性も多く和やかな雰囲気で作業が進みました。
 近年、国内外において再生可能エネルギーの需要・関心が高まりつつある中、このような業務に従事できることを大変光栄に思います。私たちと共に、我が国のエネルギー自給率の向上や国際競争力の強化への貢献を目指す、意欲ある同僚の入所をお待ちしております。
北川泰士(流体性能評価系 運動性能研究グループ)
(平成22年入所)
実海域再現水槽にて  私は流体性能評価系運動性能研究グループに所属しており現在2年目です。私の研究内容は主に二つあります。
 一つ目は強非線形現象を伴う波浪中船体運動に係る研究です。簡単に言うと“海難事故発生時のような激しい波・激しい船体運動の関係を明確にしよう”という研究で、私は実際に発生した海難事故の再現実験に参加しました。対象としたのは平成21年に熊野灘で発生した高速RORO船の船体大傾斜現象です。実験は新設の実海域再現水槽で行われ、私は対象海域の波浪場再現と模型船による船体大傾斜再現実験を担当しました。実験は一筋縄では進まず、大傾斜現象が発生し得る群波の再現、模型船と波の遭遇条件の検証、などの段階を踏んでようやく大傾斜現象の再現に成功しました。参加メンバーが一体となって挑んだこの実験は世界でも類を見ない高度な実験であると自負しています。一年目からこのような実験に参加できて光栄です。
 二つ目は機関特性までを考慮した推進性能評価手法に関する研究です。こちらは先導的な研究テーマで簡単に言うと “実船エンジンを模擬する自航装置を使用した水槽実験によって実海域推進性能をより合理的に評価する手法”の研究です。私はこの自航装置開発に当初から関わり水槽実験によるテストを行いました。学会発表も経験し、現在も継続して研究を実施しています。
 大学時代の研究テーマは船舶操縦性能でしたが、現在は波浪中船体運動からエンジン特性の研究、他にもプロペラピッチ角の予測制御などの研究を行っています。幅広く研究すると視野が広がります、物事をマクロに捉えられる研究者を目指して日々頑張っています。
柚井智洋(海洋リスク評価系 システム安全技術研究グループ)
(平成22年入所)
委員会での発表の様子  私の所属する海洋リスク評価系では、その名の通りリスク評価に関する研究を行っています。リスクとは、安全性を定量的に表現する指標であり、それを用いて、船舶等の安全性向上に資する研究を行っています。具体的に言うと、事故データ等の解析を通じて、リスクを推定し、どのような安全対策が合理的であるかを検討しています。ここでの成果は、国際的な基準や国内基準を決定する上で重要な資料となります。また、リスク評価という分野自体まだまだ発展途上であるので、リスク評価そのものに関する研究も行っています。具体的に言うと、そのリスクが許容可能か否か判定するための指標の開発に関する研究を行っています。
 高度なリスク評価を行うためには、確率・統計に関する知識だけでなく、対象物そのもの(船等)、更には経済学に関する知識等、幅広い知識が必要であると感じています。幅広い知識を吸収し、高度なリスク評価を行い、船舶等の安全性向上や、リスク評価という分野自体の発展に貢献できるよう、研究業務に励んでいきたいと思います。
坂本信晶(流体設計系 実海域性能研究センター)
(平成21年入所)
船舶用CFDセミナーにて  平成21年4月に海技研へ着任してから、早くも3年が過ぎようとしています。着任より2年間は、CFD研究開発センター(現 CFD研究グループ)にて、次世代CFDソルバーNagisaの開発・海技研CFDソルバーNeptune, SURFをご使用頂いているお客様へのサポート対応等を通じ、On the Job Trainingを経験しました。これらのソルバーは、様々なワークショップ(SIMMAN2008, G2010 etc)でも示されているように、その機能・精度共に世界トップレベルです。そういった製品を開発している方々から指導を頂いた2年間は、OJTというよりも、大学院にもう1回行き直して個別指導を受けたような、非常に貴重な時期でした。そして平成23年4月より、実海域性能研究センターへ異動し、ソルバー開発だけでなく、推進器の検討・建造船型の船型改良・実船性能推定など、様々な分野に関わらせて頂いています。自分の研究の幅・視野を広げることが出来るチャンスだと感じています。苦労したことは、ソルバーのbugを、何回見直しても見つけ切れなかったこと、嬉しかったことは、自分の出した研究結果に対し、造船所・大学の方々より「こんなことまで出来るようになっているなんて、さすが海技研」と言って頂いたことですね。今後は、推進器の理論・耐航性能や基本計画も含めた船型設計などを勉強し、総合工学である船舶工学に、all rounderとして当って行けるように努力して行きたいです。意欲の無い秀才よりも、意欲ある凡才の方が絶対伸びます。そういった方々と働けると、楽しいかなと思います。難が無いのは無難な人生、難が有るのは有難い人生 。向き不向きより、前向きです。