日本造船学会・試験水槽委員会シンポジウム 平成1512

海水打ち込み

小川 剛孝

Deck Wetness

Yoshitaka OGAWA

Summary

As a change of method for amendment, a comprehensive revision of International Convention on Load Lines, 1966 (ICLL66) is under discussion in International Maritime Organization (IMO). Rational examination by the use of seakeeping theory is required through this work. In particular, quantitative assessment of deck wetness plays an important role. Revisions for minimum bow height, hatch cover load and so forth have been completed at the first stage of this work. At the second stage, a revision for freeboard is mainly planed. In the meanwhile, many accidents of bulk carrier had occurred through recent 20 years. As a consequence, regulations with related to the bulk carrier has been revised to enhance the safety revel. This trend has much effect on the revision of ICLL66. Technical background of these revisions and the progress of the research on deck wetness are reviewed. Finally, the technical problems at the second stage are described. Basically the safety level ensured by freeboard should be evaluated by the probability of occurrence of deck wetness, like the evaluation for minimum bow height at the first stage. In addition, it is required to take the non-linear effects of wave height on ship motions into account in order to include the effects of sheer, superstructure and reserve buoyancy.

 

1 まえがき

衝撃荷重の要因の一つである海水打ち込みは、船体及び甲板上構造物への損傷だけでなく作業性の低下や滞留した甲板冠水による復原性の低下を引き起こす事が良く知られている。船舶の最も重要な機能である速力(Speed)、構造強度(Strength)、復原性(Stability)の3Sのうち、安全性に関連する構造強度と復原性の双方に関係する現象であるといえる。

実海域では、ある程度海水打ち込みが発生する事は避けられないため、構造強度の観点からは海水打ち込みによる荷重の評価、復原性の観点からは甲板上に乗り上げて滞留する水量の把握が重要となる。とりわけ、荒天下では激しく海水が打ち込むため、これらの検討が重要になる。具体的には、現象の把握とそれに基づく推定法の確立及びこれらの検討結果を用いた合理的な設計や安全対策が必要になるといえる。

海水打ち込みを制限する基本的な安全基準として、満載喫水線条約(以下ICLL66)が定められている。これは1966年に採択されて、現在まで適用されている。この条約は、そもそも際限のない荷物の積み付けを防止するために規定された基本的な規制であるが、船内浸水の防止や海水打ち込み荷重からの甲板機器の保護等がその役割として考えられている。現行条約が採択された1966年当時は、現在ほど耐航性理論が十分に発達していなかった事もあり、いくつかの要件は経験則に基づいて決定されている。このことを背景として、条約改正のための議論は現行条約成立時から既に始まっていた。

しかし、現行条約改正の発効手続きがExplicit方式、すなわち発効に締約国の3分の2以上の賛成を必要とするものであった。そのため、1971年、1975年及び1979年に部分的に改正されたが、殆どの改正案は決定されても発効されなかった。それが、1988年に発効手続きがTacit方式、すなわち締約国の3分の1以上または、商船船腹量が50%以上になる締約国の反対が無い限り発効する方式に改正するとの議定書が策定、発効された。この事を機会に俄然見直しの機運が高まった。その結果、1993年のIMO(国際海事機関)/SLF37(第37回復原性、満載喫水線、漁船安全に関する小委員会)において、技術的な観点から条約の全面的な見直しを目指すことが合意された。このため、見直し作業においては、耐航性理論等に基づいた合理的な見直しが求められている。

見直し作業は段階的に行われており、2002年のIMO/SLF45において第一次改正案がまとめられた。ここでは、船首乾舷式、船首部予備浮力及びハッチカバー荷重が見直された。これらの見直し作業に係る技術的検討のうち、重要な指標となったのは、海水打ち込みであった。特に、ハッチカバー荷重の見直しの際に、海水打ち込みによる荷重の評価が議論の中心となった。現行基準のハッチカバー荷重は経験的に決定されている事から、ICLL66策定以降たびたびその妥当性が議論されてきた。

このことから、ICLL66の見直し作業では、ハッチカバー荷重の定量的検討、つまり、この荷重の主要因となる海水打ち込み荷重についての定量的な検討が求められた。

これまでにも海水打ち込みの研究は数多く実施されている。甲板冠水については、郷田ら1)2)、溝口3)の研究があり、打ち込みによる衝撃圧については、栖原ら4)、川上ら5)、竹沢ら6)の研究がある。また、船型要素が海水打ち込みに及ぼす影響についても数多く調べられており、Newton7)、Lloydet. al.8)、O’Deaet. al.9)、高木ら10)の研究がある。海水打ち込みに関する諸量の相関については、打ち込み現象に相対水位変動や船速の影響が大きいこと11)、海水打ち込みによる甲板上での衝撃荷重は甲板水位に強い相関があること3)5)等数多く調べられている。

しかしながら、甲板冠水の挙動は複雑であることから、打ち込み水圧や甲板水量の簡易推定式4)5)12)や甲板冠水の挙動に関する数値計算3)はあるものの実用的推定手法が確立されているとは言い難い。そのため、相対水位変動と船首高さ及び乾舷の大小関係により海水打ち込みの有無を判別する程度にしか研究成果が活用されていなかった。近年めざましい発達を遂げている数値流体力学も今のところ海水打ち込み現象を十分に説明するには至っていない。

そのため、国内の満載喫水線規則の見直し作業に関連して、内航船を用いた海水打ち込み実験と定量的な検討が近年行なわれた事13)以外に、荷重の直接計測及び定量的な評価はあまり行われていなかった。

この様な背景から、ICLL66の見直し作業では模型実験を中心とする検討が行われ14)-25)、これらの検討結果をもとにハッチカバー荷重の改正案が作成された26)

一方、1980年代から近年にかけて、バルクキャリアの海難事故が多数発生している。特に、1990年代初頭には、高齢の大型バルクキャリアについての沈没や行方不明を含む重大事故が多発した。これらの事を背景に、船級協会の国際組織であるIACS(International Association of Classification Society)はバルクキャリアに関する要件の強化を図った。これらのうち、統一要件UR-S21によって1998年7月1日以降に建造契約されたバルクキャリアのハッチカバー強度が強化された。(なお、UR-S21は2002年11月に改正された後、満載喫水線条約の改正案26)をもとに2003年4月に再改正された。)この事は、ICLL66見直し作業に大きく影響を及ぼした。

本稿では、はじめにバルクキャリアの安全性強化とICLL66の見直し作業の動向について説明する。次に、これらに関連する技術的検討のうち、重要な指標となった海水打ち込みの研究動向を説明する。最後に、今後のICLL66見直し作業において必要となる技術的課題について整理する。

ICLL66策定の経緯、ICLL66見直し作業開始時の動向については、渡辺・小川27)による解説があるので、誌面の制約上ここでは割愛する。

また、満載喫水線条約をはじめとする諸規則について、本稿では概説のみ行うため、より詳細な説明については原文を御覧頂くことを御願い致したい。

2 バルクキャリアの安全性強化の動向

2.1 バルクキャリアの海難事故

1980年代後半から近年にかけてバルクキャリアの事故が相次いだ。とりわけ、1990年、1991年の2年間で、38隻のバルクキャリアが重大損傷を引き起こした28)。これらの事故の多くは、航海中に突然浸水して多数の船員が船舶と共に命を失うような大事故であった。

Table 1にこれら38隻のバルクキャリアについて事故による損傷の内容を整理した結果を示す。これらの約6割が、鉄鉱石等の密度の高い貨物を運ぶバルクキャリアである事、貨物倉に損傷を起こした事故が圧倒的に多い事、No.1貨物倉を含めた船体前端部に何らかの問題を発生した事故が3割程度ある事等が明らかとなった。沈没や行方不明等で直接の物的証拠の特定が困難であるものの、事故船の多くが船側構造の損傷を報じている事、損傷部材の特定がされていない場合でも倉内浸水に見舞われた事例が多いとの事である28)

これらの事を重く見たIMOでは、1993年に総会決議A744(18)Guidelines on the Enhanced Programme of Inspections During Surveys of Bulk Carriers and Oil Tanker」(バルクキャリア及び油タンカーに関する検査強化プログラム)を採択した。これにより、バルクキャリアと事故の発生により海洋環境に大きな影響を及ぼす油タンカーの検査強化による事故防止を図ろうとした。これを強制化とする海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)の改正が、1994年にSOLAS条約締約国会議で採択され、199611日に発効した。

Table 1 Category of damage record of bulk carrier (1990-1991)28).

件数
貨物倉部分の損傷 32
うち倉内浸水 14
鉱石船のバラストタンク浸水 2
上甲板の亀裂、座屈等 3
船側外板の損傷 16
(うち、外板の脱落4件、倉内浸水5件)
横隔壁の損傷 1
機関室浸水 2
船首部脱落 1
損傷の概要不明 6

しかし、その後もバルクキャリアの事故が減少しなかった事から、損傷時復原性と構造強度に関する基準を強化する気運が高まり、1997年には、新第Ⅻ章「ばら積み貨物船に関する追加安全措置」を追加する改正が行われ、199971日に発効した。これにより、199971日以後に建造される1ton/m3以上のばら積みの固体貨物を運搬する長さ150m以上のバルクキャリアについて、損傷時復原性及び浸水時の縦強度、ハッチカバー強度、船側構造形状といった構造強度の要件について規定される事となった。ここでは、現存船についても規定されており、199971日以前に建造された1.78ton/m3以上のばら積みの固体貨物を運搬する長さ150m以上のバルクキャリアについて要件を緩和して規定している。

2.2 Derbyshire 号の事故

一方、1980年に、南シナ海でイギリス船籍のバルクキャリアDerbyshire号が台風の中を航行中に突然連絡を絶ち、瞬時のうちに沈没する事故が発生した。1976年建造の比較的若い船齢であったにも関わらず沈没してしまったことは大きな衝撃を与えた。しかし、事故発生当時は、沈没した船体を調べる方法が無かった事もあり、事故の詳細が明らかにされる事は無かった。

この事故の被害者遺族と船員組合は、イギリス政府に長年にわたり事故原因究明を働きかける一方で、1994年に自力で周辺海域の調査を実施し、損傷船体の一部を回収した。この調査結果をもとに、1995年に海事法を専門とするイギリスの著名な法律家Donaldson氏が独自に事故原因を再評価するレポートを作成した。これがきっかけとなって、イギリス政府は積極的に原因究明を行うこととなった。アメリカのウッズホール海洋研究所に依頼し、調査船から水中音波装置と深海調査艇を用いて船体の沈没位置の特定と写真撮影を行った。これにより、船体の破損状況と沈没原因を特定するための様々な知見が得られた。

これらの事を背景に、1998年にイギリスはIMO/MSC69(第69回海上安全委員会)においてFSA(Formal Safety Assessment)の手法を用いてバルクキャリアの安全性を検討する事を主張し、IMOでこれが決定された。その結果、イギリスを中心とする国際グループ、日本及びノルウェー等によりFSAが実施され、結果がIMO/MSCに提出された。

日本とイギリスのFSAでは事故シナリオの重み付けが異なった。両国とも1978年から2000年までのロイド事故統計を用いて解析を行ったが、イギリスは事故原因をハッチカバーからの浸水が大半であるとしているのに対して、日本は船側部からの浸水が大半であるとしている。このように解析結果が異なった背景には、先に述べたようにバルクキャリアの事故には沈没や行方不明を発生するものが多く、直接の物的証拠の特定が困難であったことが大きく影響している。この結果、FSAの結果をもとに抽出されたリスク低減対策(Risk Control Option)が日本とイギリスのFSAでは異なった。これらの結果をもとにIMO/MSCでの審議の結果、イギリスが主張していた現存船のハッチカバー荷重の強化は採用されなかったが、貨物倉及び船首部の浸水警報装置の設置、二重船側構造等が強制化される事となった。

一方IACSは、独自のFSAの検討結果とDerbyshire号の調査結果をもとに、(1)SOLAS条約第Ⅻ章の現存船への適用を前倒しで実施、(2)船齢10年から15年のバルクキャリアについての検査強化プログラムの改正、(3)全貨物倉への浸水警報装置の設置、(4)波除け(現存船)及び船首楼(新造船)の設置、(5)船首部甲板上艤装品の強度及び締付方法の強化、(6)ハッチカバー及びハッチコーミングの強度の強化(7) 船倉肋骨の強度強化、(8) 船首部区画への浸水警報及び排水装置の設置という要件強化(IACS 8Measures)を決定している。

3 1996年満載喫水線条約

ICLL66の見直し作業の説明の前に、ICLL66を概観する。ICLL66検討の際の議論29)において、この条約が果たす役割は、

①船内浸水の防止、

②甲板作業時の安全性確保、

③船体強度の確保、

④海水打ち込み荷重からの甲板機器の保護、

⑤通常航海中での十分な予備浮力の確保、

⑥復原性の確保

と定義されている。

このうち、①については第11規則から第23規則において、船楼端隔壁(第11規則)、戸(第12規則)、ハッチ、戸口及び通風筒の位置(第13規則)、貨物ハッチ及びその他のハッチ(第14規則~第16規則)、機関区域等の開口(第17規則~第18規則)、通風筒(第19規則)、空気管(第20規則)、載貨門及びその他の開口(第21規則)、排水管(第22規則)、舷窓(第23規則)のように船内浸水防止のための諸規定が設けられている。②についても第25規則において船員保護のための規定が設けられ、具体的にはブルワークやガードレールについて規定されている。③については、第1規則において船体の全般的な構造上の強さが指定乾舷に対応する喫水に対して十分なものであることと規定している。これについては、船級協会の定める要件に従うものとして具体的な規定はない。

これらを前提に、④から⑥までを考慮して乾舷の値を具体的に定める(ICLL663章)のが、ICLL66の基本的な構成である。ICLL663章では、A型船舶とそれ以外のB型船舶について別々に乾舷(表定乾舷)を与えている(第28規則)。A型船舶とは、タンカーの様に液体貨物のみを輸送するために甲板上の開口部が少なく水密性にも優れる事及び浸水による危険性が少ない事を理由に低い乾舷を与える事を認めた船舶である。この表定乾舷に対して、方形係数、型深さ、船楼及び舷弧の修正(第30~第38規則)といった諸修正を施す事で各船舶の乾舷が規定されている。

さらに、船首高さについては、主に向波中での海水打ち込みを制限する目的で、乾舷よりも大きな値が別途規定されている(第39規則)。

また、B型船舶でありながら、A型船舶と同等な安全性を有すると考えられる船に乾舷の減少を認めている。これらの船は、満足する要件に応じてB型船舶とA型船舶に係る表定乾舷の差の60%あるいは100%まで減らしてもよいとされている(第27規則)。いわゆる、B-60及びB-100型船舶といった減少B型乾舷の規定である。⑥復原性については、第10規則において、現行のSOLAS条約に基づく承認された様式による復原性資料を所持することが決められている。また、第27規則において、A型船舶とB-60及びB-100型船舶の要件として規定される損傷時復原性に関する要件がある。

4 1996年満載喫水線条約の見直し作業

IMO/SLF37で合意されたICLL66の見直しの技術的観点からの概念図をFig.1に示す。作業は段階的に進められており、従来船について現行条約の見直しを実施し、次に新形式船についての要件を検討する予定である。

1次見直し作業では、主に船首乾舷式、船首部予備浮力及びハッチカバー荷重等の見直しが行われた。技術的検討は、IMO/SLFの下に設置された満載喫水線コレスポンデンスグループ(以下LLCG)により、現行条約策定後に大きな発展を遂げた耐航性理論を用いて進められた。

Fig.1 Proposed Approach for the New Load Line Convention (IMO/SLF37)

 

一方、近年多発したバルクキャリアの海難事故に端を発する基準強化の機運が見直し作業での審議に大きく影響を及ぼした。ここでは、主な改正点である、船首乾舷式、船首部予備浮力及びハッチカバー荷重について説明する。

4.1 船首乾舷式

船首乾舷式の見直しは、船首相対水位の長期予測計算により検討が行われた。現行の船首乾舷式は概ね妥当な安全レベルを達成できていると考えられるが、船の長さと方形係数(ICLL663規則)のみの関数であり、必ずしも船型の影響を十分に反映できていない。そこで、冠水確率に代表される安全レベルは現行規則のそれと同等に保つこととし、船型要素を取り入れた式に改めるという方針で作業が進められた。冠水確率は、正面向波、船速0の条件でストリップ法により計算した船首相対水位の応答関数と北大西洋の波浪頻度表を用いた長期予測計算により求めた。

はじめに冠水確率に大きく影響を及ぼす船型要素の抽出を行った。次に現行規則と同等の冠水確率となるように最小船首高さを設定し、抽出した船型要素を用いてこれを近似する事とした。このように定めた最小船首高さ(mm)を以下に示す。

式中のf1f3及びg0g3は係数で

[f1]=6075, [f2]= -1875, [f3]= 200,

[g0]=2.08, [g1]= 0.609, [g2]= -1.603, [g3]= -0.0129

である。LICLL663規則で規定される船の長さ(m)Bは型幅(m)d1は深さD85%の喫水(m)Cbは方形係数(=/(LBd1))は喫水d1での排水容積(m3)CwfL/2から前半部での水線面積係数(=Awf/{(L/2)B})、Awfは喫水d1でのL/2から前半部の水線面積(m2)をそれぞれ表す。

LLCGでは長期予測計算の結果をもとに上記と異なる係数を設定した。しかしながら検証計算の結果、大型バルクキャリアで現行基準を10mm程度下回る場合がある事がわかった。このことの工学的意味は小さいが、数値が小さくなるという事実がバルクキャリアの安全性の低下につながるとの指摘がなされた。結局この事だけが判断理由となり、理論的な一貫性はないものの係数を変更した上記の式が改正案となった。この式は現行条約での船首高さと比べると、船の長さ100m前後の船舶については、船種により500mm程度高くなる。大きなB型船舶については同等あるいは若干高くなる。

4.2 船首部予備浮力

バルクキャリアの基準強化の観点から、船首部の予備浮力強化の改正が行なわれた。中国から、ケープサイズバルクキャリア、パナマックスバルクキャリアといったB-60及びB-100型船舶として規定される船舶について、F.P.から0.15船長間の船側部の投影面積が小さいために船首部予備浮力が不足するとの指摘があった。これにノルウェー、イギリス等が賛同したことから、第2次改正の審議内容とされていたものの前倒しで議論される事となり、その結果定量的な検討がなされずに決定された。

日本は、船全体として同等の予備浮力があれば特に船首部のみで予備浮力を確保する必要はないという現行規則の考え方を主張し、船全体としての予備浮力は規則通りの標準舷弧を持つ船と同等であるとの認識で各国一致した。これに加え、船橋視界やエアードラフトの観点からも問題があることを指摘し、こちらも各国の理解が得られた。しかしながら、大型バルクキャリアの事故は船首部での浸水を発生させるものが多く、技術的背景はさておき船首部予備浮力をふやせば安全側であるとの観点から増加する事を前提とした議論が進んだ。この結果、中国提案の算式をもとにエアードラフトの問題を満足できるように修正した妥協案が採用された。

これにより、B-60型及びB-100型乾舷を有する船舶については、Fig.2に斜線部で示すような船首部0.15L間の投影側面積(A1+A2+A3)が、次式で定義した面積を下回らないように船首楼あるいは舷弧を追加するという規定が設けられる事となった。

ここで、F0はICLL66の第28規則のB表から与えられる表定乾舷を第27規則(9)及び(10)により修正した乾舷、f1は第30規則で与えられる方形係数による修正、f2は第31規則で与えられる深さによる修正を表す。

この結果、ケープサイズとパナマックス以外のバルクキャリア及びその他のB型船舶については、現状の構造で満足するが、パナマックスバルクキャリアで若干の舷弧の増加、ケープサイズバルクキャリアでは船首楼の設置とそれに伴う大幅な船橋の嵩上げが必要となった。

Fig.2 Definition of projected area within the range of 0.15L abaft of the forward perpendicular.

4.3 ハッチカバー荷重

ハッチカバー荷重についても船首部予備浮力と同様にバルクキャリアの基準強化を意識した検討が行われた。

技術的観点からは、ハッチカバー荷重の主要因である海水打ち込み荷重について主に検討された。先にも述べたように、甲板冠水の挙動は複雑でその解析が難しい事から、実験及び理論の双方からの詳細な検討が必要であると考えられた。これまでの海水打ち込みの研究では相対水位と乾舷あるいは船首高さの大小関係から打ち込み発生の有無について論じた研究が多く、打ち込み荷重を直接計測した研究は、日本で内航船の満載喫水線規則見直しのために実施した研究13等を除くと非常に少なかった。そこで、日本30)31)、イギリス32)33)及びオランダ34)は打ち込み荷重の定量的な把握を目的とした模型実験を行い、結果をIMOに提出している。先にも述べた経緯から、主にバルクキャリアとりわけ減少B型乾舷を持つパナマックス及びケープサイズバルクキャリアのような大型バルクキャリアを対象とした模型実験が行われた。

これらの実験は全て、荒天時を想定した大波高で縦運動の同調点付近となる波周期を持つ規則波及び不規則波中で行われた。次にこれらの模型実験の内容を概説する。

4.3.1 バルクキャリアに関する模型実験

日本は、ケープサイズバルクキャリア模型を用いて、荒天中で船体運動、相対水位及び打ち込み荷重(船首甲板、No.1及びNo.4貨物倉のハッチカバー)を計測した30)。ここでは、船速、出会い方位をパラメタとして、これらが打ち込み荷重に及ぼす影響についても調べている。これにより、向波とりわけ正面向波中で打ち込み荷重が大きい事、波高や船速が大きくなるにつれて、打ち込み荷重が大きくなる事を確認した。

これらの知見は、これまでにも操船者の経験上、あるいは相対水位の計算や模型実験結果からも得られている事である。しかしながら、このように直接荷重を検討した例は、近年の国内規則35)36)やICLL66の見直し作業に関連する研究以外には殆どない。

一方、イギリスは、ストラスクライド大学復原性研究センター(以下SSRC)で、ハンディサイズ、パナマックス及びケープサイズバルクキャリアの3種類のバルクキャリア模型を用いて実験を行っている32)。このうち、ケープサイズバルクキャリアについては、船首楼を変化した場合の模型実験も行った。

イギリスは、更にオランダMARINに模型実験を委託した。この模型実験では、SSRCで用いたケープサイズバルクキャリア、これとは別のケープサイズバルクキャリア及びパナマックスバルクキャリア模型を用いた実験を行っている33)。乾舷の影響を調べるために、同じ模型船でB型乾舷とB-60型乾舷の2状態について実験を行った。また、非損傷時(Intact)だけではなく損傷時(damage)状態についても実験を行っている。具体的には、船首水槽(Fore peak tank)まで浸水した場合とNo.1貨物倉まで浸水した場合の2状態を損傷時の状態として想定した。

この実験では、打ち込み荷重の計測(No.1No.2及びNo.5貨物倉のハッチカバー)だけでなく、ハッチコーミング、ウィンチ等の甲板上艤装品に作用する水平方向の荷重も計測している。

模型実験の結果、バルクキャリア模型を用いた全ての実験で、ICLL66の設定荷重よりもかなり大きな打ち込み荷重が計測された。実験条件が全く同じではないため、直接の比較は行えないものの、日本の不規則波中模型実験で得られた打ち込み荷重の1/10及び1/3有義値は、MARINでの非損傷時模型実験で得られた荷重と同程度の大きさとなった。このため、IMOでは基準を見直す必要性が再認識された。

また、損傷時の打ち込み荷重は、非損傷時に比べて大きくなることや100kPa(約10m水頭)を超える荷重が発生する事もわかった。また、同じ損傷時でも船首水槽が浸水した場合よりもNo.1貨物倉に浸水した場合の打ち込み荷重が大きい事が分かった。

これらの模型実験30)33)の結果、ハッチカバーに働く打ち込み荷重には、大別して2通りある事が分かった。主に船首から流入した水は船尾方向へ流下していくが、ハッチカバー上では、Fig.3に示すように、

(TypeA)そのままハッチカバー上を流下する場合

(TypeB)ハッチカバーの前方あるいはハッチコーミングで跳ね上がった水塊が落下する場合

の2通りの流れがある。

TypeAの場合は、ハッチカバーの固有振動数に対して十分な持続時間を持つため、静的荷重と等価に考える事が出来る。このように打ち込み荷重は、スラミングによる衝撃圧に比べて持続時間が長い事が特徴である。

一方、TypeBのような海水打ち込みの場合は、打ち込み水の持つ力積は小さいにもかかわらず落下衝撃により大きなピーク値が計測される。この事は、同じく図中に示した打ち込み荷重の時系列結果からも明らかである。Fig.2中の丸で囲んだ時系列データがそれに相当する。

そのため、TypeBのような海水打ち込みについては、ピーク値を直接用いるのではなく動的応答を計算し修正を施している23)。ICLL66見直し作業においては、これらの結果を用いて議論を行った。

4.3.2 その他の船種に関する模型実験

ハッチカバー荷重の見直し作業においては、バルクキャリアの打ち込み荷重を中心とした議論が進んだ。LLCGでは、当初バルクキャリアの模型実験結果のみを検討して改正案を作成する予定であった。しかしながら、ICLL66は全ての船種に適用する条約であるため、船種や船長にかかわらず同じ荷重を一律に適用するのは合理的と言い難い。また、船種や船長が異なれば船体運動、相対水位変動、ひいては海水打ち込みも違ってくると考えられた。

そこで、日本はバルクキャリアと同様に打ち込み荷重を検討する必要があると考えられる一般貨物船についても同様に模型実験を行った。この実験では、船体運動、相対水位及び打ち込み荷重(船首甲板、No.1及びNo.2貨物倉位置での甲板上荷重)を計測した31)

この結果をもとに、船種や船の長さにかかわらず同じ荷重を一律に適用する事に異議を唱え、B-60及びB-100型船舶とそれ以外の船舶についてそれぞれハッチカバー荷重を設定する提案をIMO/SLF45において行った。

また、船の長さの関数とすることについては、小川らはその必要性を指摘していた31)が、基準値を設定するための十分な実験データを日本として持たなかったため提案するに至っていない。

結果の一例として、日本で実施したバルクキャリア及び一般貨物船の打ち込み荷重の超過確率の実験結果をFig.4に示す。一般貨物船の方が厳しいにもかかわらず、同じ発現確率での荷重は小さくなっており、船種により打ち込み荷重の大きさが異なる事が分かる。図中には、小川ら34)により開発された予測法による打ち込み荷重の超過確率も図中に線で示す。こちらの詳細については、後述する。解析的に導かれた超過確率は、実験結果とよく一致している。このことから、予測法が有用である事だけでなく、実験で計測された荷重の発現頻度は解析的に説明のできる合理的な結果である事も分かる。

オランダMARINも同様に貨物船を用いた模型実験を行った34)。船速、出会い方位をパラメタとして、これらが打ち込み荷重に及ぼす影響についても調べている。ここで得られた打ち込み荷重も、日本の模型実験結果と同程度の大きさであった。

Fig.3 Relation between a flow of shipping water and green sea load on the hatch cover22).

Fig.4 Probability of exceedance of green sea load31).

4.3.3 ハッチカバー荷重の改正案

日本は、IMO/SLF45及びIMO/MSC76において、垂直荷重に起因するハッチカバーの事故は少なく、現存船への遡及適用は支持できないことや浸水状態を考慮することには更なる検討が必要なこと等を主張した。一方、イギリスは垂直荷重に起因する事故が少ないというのは日本の主張に過ぎないので、日本が提案する荷重は不十分であり、安全性の観点から受け入れられないと主張した。シンガポール、中国及び韓国等を除く多数の国がイギリスの主張を支持した結果、B-60及びB-100型船とそれ以外の船舶についてそれぞれ船の長さLの関数として次式の様に設定したイギリス提案22)が採用される事となった。

 

○B-60及びB-100型船舶
  第1位置に設けられるハッチカバー荷重;
  F.P.:5.0+0.0363×(LH-100)[ton/m2]
  F.P.から0.25L後方:3.5[ton/m2]

○B型船舶
  第1位置に設けられるハッチカバー荷重;
  F.P.:5.0+0.0074×(LH-100)[ton/m2]
  F.P.から0.25L後方:3.5[ton/m2]

F.P.とF.P.から0.25L間は、1次補間法によって求める。

但し、これらの上記算式において、LHは100m以上340m以下とする。LHが340mを超える場合は、LHは340mとする。また、標準船楼高さ以上に乾舷に余裕のある船舶については、上記算式に関わらず、第1位置に設けられるハッチカバー荷重は、一律3.5ton/m2とする事が出来る。

ここで、第1位置とは、ICLL66第13規則で規定される、暴露した乾舷甲板及び低船尾楼甲板上並びに船首垂線から船舶の長さLの4分の1の点より前方に位置する暴露した船楼甲板上の事を指す。

Fig.4に新旧のハッチカバー荷重を船長方向の位置の関数として表す。B-60及びB-100型船舶については、浸水状態での打ち込み荷重を想定して設定された結果、ICLL66に比べて大幅に増加している事が分かる。

Fig.5 Definition of hatch cover load at fore deck.

5 海水打ち込み関連する研究の動向

ハッチカバー荷重の見直しに関連して実施された研究を中心に、これらの研究で検討された手法を説明する。

5.1 甲板冠水と打ち込み荷重

これまでの研究37)35)で、甲板上水位とその運動量変化を考える事で、甲板冠水により鉛直方向にはたらく水圧Pを

で表わせることが明らかになっている。ここでρは水の密度、hは甲板上水位、Wは甲板の鉛直方向速度、gは重力加速度、θは縦揺角である。この式は甲板冠水のもつ運動量変化による動的な水圧も含めて推定するもので、右辺1行目第1項は打ち込み水位の変動に伴う運動量変化、第2項は慣性力を表わす。小川ら35)は、(5)式2行目の第2項、甲板冠水の静的な荷重が打ち込み荷重に最も大きい割合を占めるものの、荷重のピーク値には、(5)式2行目の第1項、水位変化の項が大きな影響を及ぼすことを示した。よって、打ち込み荷重のピーク値は水位変化に伴う運動量変化が影響するため、甲板上水位よりも大きい水頭が作用する事がわかった。このことから、打ち込み荷重を精度よく推定するためには、甲板上水位、とりわけその時間変化も精度よく推定できる手法の開発が必要となる。

小川ら35)は洪水流の解析理論38)を用いて打ち込み水の挙動をモデル化した。この理論は、一様流の二次元水路において、基準点で加えられた撹乱が一様流上を流下していく時の波形の伝播を表すものである。小川ら35)は、甲板冠水の挙動を表現するために撹乱の一次成分を表わす式を船幅の変化を考慮して拡張した。

これらのことから、Fig.6に示すように、船首を原点とし、船尾方向をx軸の正方向とする船体固定座標系を考える。一様流の水深h0及び流速V0をそれぞれ船首高さf'及び船速に等しいとし、また、原点での撹乱F(t)をF(t)=f(t)-h'0、f(t)を船首相対水位と定義してF(t)が正の場合のみを考えることで甲板上水位分布h(x,t)は、

と表わせる。

Fig.6 Model of the flooded waves.

ここで、D=V0h0/2i00=5V0/3,i0=sin(θmax)である。また、θmaxは縦揺の最大角(船首上げ)、B(x)は各位置での船幅、B0は打ち込みの有効幅を表す。打ち込みの有効幅B0は船首相対水位の最大値ηmaxが船首高さf'を超えた越波高さδ=ηmax−f'に比例するとして、B0=αδ(αは定数)としている。αは田崎39)にならい、一周期あたりの甲板水量の計測値と越波高さδの関係をもとにαを決定している。小川らは、実験から船型によって極端に変化していない事35)36)等を勘案し、内航タンカーの実験結果35)を用いてα=1.1としている30)

このモデルを用いた甲板上水位分布については、内航タンカー及び内航貨物船模型による実験結果35)36)との比較により検証されている。結果の一例として、内航貨物船36)の甲板上水位分布の時系列をFig.7に示す。急激に流入している事や船尾方向に行くにしたがって水位が小さくなって行く事が分かる。また、洪水流理論により推定した甲板上水位分布は実験値をよく説明している事が分かる。

Fig.7 Time history of shipping water height (domestic cargo ship, λ/L=1.2, H/λ=1/30, Fn=0.17, Head sea)

洪水流理論の支配方程式は、海水打ち込みのモデルとしてよく使われているダムの崩壊モデル2)と同じものである。ダムの崩壊モデルに対して、洪水流理論は一様流の影響を考慮して導かれている点が異なる。横波中では、打ち込む波と甲板の相対速度はあまり大きくないが、向波中では船の前進速度があるためにダムの崩壊モデルで仮定したような静止した状態で波が乗り上げるのではなく、船体及び甲板が波に突入している35)。そのため、向波中での打ち込みを考える際には、波と船体との相対速度に対する船の前進速度の影響を考慮する必要がある。

洪水流モデルにより推定した甲板上水位分布を入力として(5)式に代入する事により、甲板上の打ち込み荷重を求める事が出来る。

小川らは、ハッチカバー上にはたらく打ち込み荷重を推定するために、荷重を推定する際のハッチカバー上の水位h’を

と表した。ここで、hは洪水流モデルを用いて推定した打ち込み水位、Hはハッチコーミング高さを表わす。この手法で推定したバルクキャリアの打ち込み荷重の一例30)をFig.8からFig.11に示す。はじめに正面向波、船速14knotでの船首甲板(図中PG1-2)及びNo.1貨物倉のハッチカバー(図中PG2-2)での打ち込み荷重の時系列をFig.8及びFig.9に示す。横軸には時間、縦軸には計測した打ち込み荷重をフルード則に基づき実船スケールに換算して示す。印が実験値、点線が推定値を表す。

Fig.8 Time history of green sea loads on the fore deck of bulk carrier (Head seas, 14knots).

Fig.9 Time history of green sea loads on the No.1 Hatch cover (Head seas, 14knots).

No.1貨物倉のハッチコーミングで反射する水の影響で、船首甲板の計測値には、甲板上に滞留している水の影響が見受けられるものの、ピーク値は精度よく推定できる事が分かる。また、No.1貨物倉のハッチカバーについても同様によい一致を示している。これらの事から、洪水流モデルを用いて、ハッチコーミング高さを考慮する事により、ハッチカバーにはたらく打ち込み荷重を精度よく推定できる事がわかる。

一方、ハッチカバーの前方あるいはハッチコーミングで跳ね上がった水塊が落下する事により発生する打ち込み荷重の推定結果を示す。正面向波、船速1.4knotでの時系列についても、Fig.10及びFig.11に示す。Fig.10に示すように、船首甲板については、先の結果と同様にピーク値は精度よく推定できる。しかしながら、Fig.10に示すNo.1貨物倉のハッチカバーでは、実験では荷重が計測されているにもかかわらず、計算では打ち込み水の水位がハッチコーミング高さを越える事が無かったため荷重は発生しなかった。洪水流モデルでは、水塊の跳躍が考慮されていないため、これによる打ち込み荷重の推定は出来ないが、ハッチカバー上を流下する場合には精度よく推定できる事が分かる。

Fig.10 Time history of green sea loads on the fore deck of bulk carrier (Head seas, 1.4knots).

Fig.11 Time history of green sea loads on the No.1 Hatch cover (Head seas, 1.4knots).

また、小川らは、この手法により推定した打ち込み荷重を非線形ストリップ法40)に取り入れて船体運動の計算を行った41)。この手法についても以下に説明する。

正面向波中での甲板の鉛直方向速度Wを次式で表す。

ここでZは上下揺、θは縦揺、τは甲板と静水面とのなす角(τ=θ+τ00;トリム角)、xは重心からの船長方向距離を表す。また、「・」は時間による微分を表す。これを(5)式の打ち込み荷重の推定式に代入すると、海水打ち込みによる水圧Pは、

として甲板上水位分布と船体運動の関数として表すことが出来る。甲板冠水が流下する速度は速く、甲板上水位は船幅方向に比べて船長方向に大きく変化する事から、船幅方向には同じ水圧が作用するものと仮定する。これにより、断面に働く打ち込み荷重は、水圧と断面の船幅B(x)の積で表すことが出来る。これを船長方向に積分する事で打ち込み荷重により船体に働く流体力は

と表すことが出来る。

このようにして導いた打ち込み荷重FGを取り入れた船体慣性力Fiの力のつり合いと重心まわりのモーメントのつり合いは次式で表される。

ここで、Frは造波減衰力、Fmaは相対加速度による付加慣性力、Fmj及びFmj*は付加質量の長手方向の変化による流体力のうち周期運動による成分と前進速度による成分、FimpFimp*は付加質量の時間変化による流体力のうち周期運動による成分と前進速度による成分、Fsは復元力とフルードクリロフ力を表す。(11)式及び(12)を整理することで、次式の上下揺と縦揺の連成運動方程式が導かれる。

ここでMは船体質量、I55は縦揺付加慣性モーメント、mij(i,j=3,5)は上下揺及び縦揺の付加質量、Nij(i,j=3,5)は上下揺及び縦揺の減衰力、Cij(i,j=3,5)は上下揺及び縦揺の復原力、Zは上下揺振幅、θは縦揺振幅、Ei(i=3,5)は波浪強制力を表す。

この結果、従来の非線形ストリップ法40)(以下conventional)に以下の項が加わる。

中型貨物船の打ち込み荷重及び水圧の推定結果を、Fig.12及びFig.13に時系列で示す。横軸には時間、縦軸には打ち込み荷重をフルード則に基づき実船スケールに換算して示す。推定された打ち込み荷重は、実験結果とよく一致している事が分かる。波高毎の推定結果についてもFig.14に示す。横軸は波高を表す。波高と打ち込み荷重の関係をよく説明しており、精度良く推定できている事が分かる。

甲板に垂直方向にはたらく打ち込み荷重だけでなく、流下する甲板冠水が甲板上構造物に衝突することで大きな衝撃圧が働く事も溝口11)や小川ら42)の研究により、確かめられている。

バルクキャリア模型を用いたMARINでの実験33)においても、船首部を乗り越えた高さ(越波高さ)の5倍以上の水頭がウィンチに働く事が確認された。

また、MARINの実験においても、甲板冠水によりウィンチに働く荷重と波が船首部を乗り越えた高さ(越波高さ)の関係を調べた結果、荷重は越波高さの2乗と相関の強い事が分かった。前述した洪水流モデルも、甲板冠水は、船首部を乗り越えた高さ(越波高さ)で越波高さに比例する幅で船首部から流入する、つまり越波高さの2乗に比例する水量が流入すると仮定しており、これらの結果は互いに整合性がある事が分かる。

Fig.12 Time history of green sea load on fore deck (Head seas, Hw=12m, λ/L=1.2, Fn=0.0585).

Fig.13 Time history of green sea load on the No.1 hatch position (Head seas, Hw=12m, λ/L=1.2, Fn=0.0585).

Fig.14 Effect of wave height on green sea load on the No.1 hatch position (Head seas, λ/L=1.0).

このように、海水打ち込みを定量的に取り扱うための検討が行なわれ、推定手法の有用性が示された。これにより、これまでに定量的な評価が困難であった海水打ち込みが船体弾性応答及び波浪荷重に及ぼす影響についての定量的な検討が可能となった。今後、これらを定量的に評価する事が期待される。

また、復原性の観点からは、甲板冠水がどのように甲板上あるいは船体内部に滞留し、復原性にどのように影響を及ぼすか定量的に検討する事も重要である。

斎藤ら43)はハッチカバーレスコンテナ船について、船倉へ流入する水量の検討を行なった。ここでは、甲板上水位を洪水流理論で計算し、これがハッチコーミングを乗り越える水量についてはダムの崩壊モデルまたは越波理論を用いて推定している。模型実験での計測において課題があるため、更に検討を行なう必要があると考えられるものの、この手法で計算した流入量は定性的には実験結果と似た傾向を示している。

5.2 打ち込み荷重の発現確率

安全基準の検討や設計の観点からは、ある期間の間に発生する打ち込み荷重の推定も重要となる。線形で近似できる船体応答については、既に推定手法は確立されており、よく知られている44)45)。しかしながら、打ち込み荷重のような衝撃荷重は、非線形な現象であるので、その統計的性質を把握するためには、模型実験や実船試験で計測したデータに分布関数を当てはめる、あるいは何らかのモデル化のもとに解析的に分布関数を求める必要がある。

前者は極値統計の考え方であり、データが独立性(個々のデータに相関がない事)と等質性(対象とするデータが全て同じ確率分布に従う統計的集団から抽出されたものである事)を満たしており、極値を定義するための標本が十分に大きい場合に、極値の分布関数を表す事が出来る。

一方後者は、なんらかのモデル化が必要となるものの、例えば海水打ち込みの場合では、運動や相対水位といった関連する船体応答との関係が明確になる。

ここでは、はじめに極値統計の考え方にならい、分布関数を当てはめる方法について説明する。

極値を定義する元の標本が十分に大きいとすると、極値の累積分布関数は3種類の分布で表されることが良く知られている。一般にFisher-Tippett46)の分布と呼ばれるものである。(Gumbleの分布47)と呼ばれる場合もある。

極値Ⅰ型分布(二重指数分布、またはグンベル分布)

極値Ⅱ型分布(フレッシェ分布)

極値Ⅲ型分布

ここで、定数kABは分布関数のパラメタで母数と呼ばれており、それぞれ形状母数、尺度母数、位置母数と呼ばれる。船舶工学の分野でもよく用いられるワイブル分布は極値Ⅲ型分布を最小値に関する式として書き直した形になっており、

となる。このため、極値Ⅲ型分布がワイブル分布と呼ばれることもある46)。これらは全て二重指数分布の特別な場合であり、一つにまとめた形で表すことができる。(16)式のkk=-1/κと置き換えたものに等しく、κ=0が極値Ⅰ型分布、κ<0が極値Ⅱ型分布、κ>0が極値Ⅲ型分布となる。これを、一般化極値分布(GEV:Generalized Extreme Value Distribution)という。それぞれの標本から最大値(あるいは最小値)という極値を定義し、これら複数の極値データからなる標本に分布関数を当てはめる事で、その統計的性質を把握するという方法である。しかしながら、この方法では十分な数の標本を集積する必要があるため、データの不足を生じやすい。

そこで、ある閾値uを決めて、それを超える値を全て標本から抽出することでデータの不足を補う方法がある。その際に当てはめられる分布関数は、一般化パレト分布GP:Generalized Pareto Distribution)と呼ばれ、次式で表される。

ここで、定数κ、C はそれぞれ母数を表す。

Tawnら48)は、MARIN の実験で計測した打ち込み荷重の極値データを一般化パレト分布に当てはめた結果、よく実験値と一致する事を示した。イギリスは、ICLL66の見直し作業において、模型実験結果から求めた分布を外挿してハッチカバー荷重を設定した。

一方、小川ら36)は、船首相対水位の確率密度関数を仮定して、理論的に打ち込み荷重の超過確率を導いた。洪水流モデルにおいて、甲板冠水は、船首部を乗り越えた高さ(越波高さ)で越波高さに比例する幅で船首部から流入してくると仮定している。この事から、打ち込み荷重の極大値Fmaxを越波高さの極大値δmaxを用いて次式のように表した。

ここで、αは比例係数、ρは水の密度、gは重力加速度、Bは船幅、ηmaxは船首相対水位の極大値、fは船首高さ、σηは船首相対水位の標準偏差を表わす。この式を模型実験で計測した打ち込み荷重に当てはめた例をFig.15に示す。縦軸は打ち込み荷重の極大値、横軸は越波高さをそれぞれ実船スケールに換算した値で表す。実験値を印で、(20)式を用いて近似した値を線で表す。この近似式はよく実験結果を説明しており、有用である事が分かる。小川らは、規則波中実験での結果をもとに、例えば一般貨物船のS.S.9及びS.S.8で、船速4knotの場合はα=0.158及び0.076、同様に船速2knotの場合はα=0.131及び0.049としている31)。この比例係数は、実験に頼らずとも先に示した打ち込み荷重の推定手法により求める事も可能である。

Fig.15 Relation between green sea loads and relative water height at stem of a cargo ship (Fn=0.039).

打ち込み荷重の極大値の確率密度関数pF(Fmax)と船首相対水位の極大値の確率密度関数pηmax)の間には次式の関係が成り立つ。

また、相対水位のスペクトラムを狭帯域と仮定すると船首相対水位の極大値の確率密度関数pη(ηmax)はレーレー分布で次式のように表すことが出来る。

ここでσηは船首相対水位の標準偏差を表す。

Fig.16に、一般貨物船の模型実験で得られた船首相対水位の超過確率を示す。図中には、実験で得られたスペクトラムから求めた分散値を用いたレーレー分布とこの船の船首高さを同じく図中に示す。

波が船首をある程度乗り超えると、波崩れを起こすようになる。そのため、ある水位を境目に、それより高い水位の頻度が相対的に減り、低い水位の頻度が相対的に増す。これにより分布形状が歪むものの、概ねレーレー分布で近似できることが分かる。MARINの一般貨物船を用いた模型実験34)からも同様の知見が得られている。

Fig.16 Probability of exceedance of relative water height at stem of general cargo ship (Head sea, H1/3=12.0m, T01=10.4sec, Fn=0.0195)

よって(20)及び(22)式を(21)式に代入すると、打ち込み荷重の確率密度関数pF(Fmax)は、

となる。また、これを積分することにより超過確率P(Fmax>F)は次式のように表す事が出来る。

この手法を用いて計算した結果の一例として、一般貨物船の超過確率をFig.4及びFig.17に示す。本手法で推定した超過確率は実験値とよく一致しており、この手法が有用である事がわかる。

Fig.17 Probability of exceedance of green sea loads on general cargo ship (Head sea, H1/3=12.0m, T01=10.4sec, Fn=0.039)

6 今後の技術的課題

先にも述べたとおりICLL66の見直しは、順次実施されていく予定であり、今後の作業として以下の内容が想定されている26)

(1)B-60及びB-100型船舶の乾舷の評価

(2)船楼及び舷弧が乾舷に及ぼす影響

(3)予備浮力の定義及びその分布

(4)損傷時復原性要件との整合性

(5)損傷時(浸水時)の構造強度

(6)海水打ち込みの観点からの在来船及び新形式船の乾舷表の見直し

(7)あらゆる種類のハッチカバー荷重強化の必要性に係る検討

これらは整理すると、乾舷表の見直しに関連する事項と損傷時を想定した安全性に関連する事項に大別できる。ここでは、現行条約が策定された時の記録29)やLLCGでの議論をもとに、今後の課題について整理する。

6.1 乾舷表の見直し

第28規則表定乾舷のうち、A型船舶の乾舷は機関室の浸水を想定した状態でも十分な復原力を維持できる事を前提に規定された。B型船舶については、1930年満載喫水線条約で規定されていた蒸気船に対する乾舷に事故統計を踏まえた修正を施して決定した値である。

ICLL66策定当時と現在では船型に大きな違いがあることはいうまでもないことである。コンテナ船、ガス運搬船、Ro-Ro船等のICLL66当時では想定されていなかった船舶が運航しており、現状ではこれらに対してもICLL66が適用されている。また、A型船舶として規定されているタンカーについても海洋汚染防止条約(MARPOL条約)において二重船殻構造の義務化がなされたことにより、ICLL66策定当時と比べると、船型は大きく変化している。これらのことから、乾舷表の見直しに当たっては、まず現在の船型を考慮して設定することは明白である。表定乾舷及び諸修正と実船の乾舷とを比較して、現在の船舶に対するICLL66の適用実態を把握し、これをもとに検討する必要があるといえる。

また、コンテナ船、ガス運搬船等の乾舷は、その形状からICLL66の表定乾舷よりもかなり大きな値を持つことが容易に推測できる。この事は、安全性の評価に実態の乾舷を用いた場合に、コンテナ船やガス運搬船の安全レベルと他の船種の安全レベルが大きく異なる事を示唆している。よってこれらを同様に扱う事は、事故事例や設計の観点から合理的とは言い難いため、別々に取り扱うべきであると考えられる。そのためにはA型船舶及びB型船舶だけで分類するのではなく、より詳細な区分で検討する事も一案として考えられる。

具体的な検討方法は、先にも述べたとおり①船内浸水の防止、④海水打ち込み荷重から甲板機器の保護、⑤通常航海中での十分な予備浮力の確保を目的に規定するのであれば、船首乾舷式の見直しの時と同様に冠水確率を計算して安全レベルを評価する事が必要である。船首乾舷式の検討では、船首での打ち込みが厳しいのは正面向波であることから波向は正面向波に限定して計算を実施したが、乾舷については全ての波向について検討する必要がある。

現行の表定乾舷は船の長さのみの関数となっており、それに型深さによる修正を施している。冠水確率とD/L等船型要素との関連を整理する事で現行の船舶に適応した合理的な規定とする事が期待される。

また、方形係数Cb0.68を上回るときのみ、表定乾舷に(Cb+0.68)/1.36を掛ける修正が施されている。その一方で、見直し前の最小船首高さは、(Cb+0.68)/1.36に反比例する値で与えられていた。冠水確率の観点で考えるのであれば、これらに整合性が無いだけでなく物理的根拠が必ずしも明確でないため、冠水確率との定量的な関係を明確にすべきである。

6.2 舷弧及び船楼の役割と予備浮力

船楼及び舷弧が乾舷に及ぼす影響を検討する際には、同じ冠水確率での相対水位の船長方向分布を計算する必要がある。ストリップ法では、表定乾舷を規定するための検討は可能であるが、水線面上形状の変化を考慮できないために船楼や舷弧の影響を評価する事は出来ない。時々刻々の浸水面形状を考慮した非線形ストリップ法40)や模型実験により船楼や舷弧の大きさや形状が船体運動等に及ぼす影響を検討することが必要である。

また、船楼及び舷弧が果たしている役割の一つであると考えられる予備浮力については、第1次見直し作業では統一した定義がなされていなかった。予備浮力は、安全性を評価する上で重要な指標の一つであると考えられるため、改めて定義を整理する。第1次見直し作業においても、予備浮力について議論が行われている49)。ここで定義されている予備浮力とは水線面上の容積を意味する。よく知られているように、船の復原力W×GZは、傾斜角θが小さい場合

と近似することができる。ここでWは船の排水量、GZは復原てこ、GMはメタセンタ高さ、Bは浮心を表す。(5)式の右辺2行目第1項は船の形状による復原力、第2項は船の重量による復原力とみなすことが出来る。船楼や舷弧を乾舷甲板に取り付けるのは、第1項の船の形状による復原力を増やす事が目的である。本来、満載喫水線条約において想定されている予備浮力とは、この形状による復原力を指す。

一方、船首予備浮力やハッチカバー荷重の見直しで議論されていた予備浮力は、これとは定義が明らかに異なる。ここでの予備浮力とは、極論すると船首部で浸水が発生し、その結果船首トリムを起こした状態で浮いている船舶が、その状態で転覆することなくなおかつ打ち込み荷重を低く抑えるだけの十分な高さを残して浮いているために必要な浮力である。そのためには、船首楼や舷弧の増加が必要であるという考え方であり、必ずしも復原性の観点から決まったわけではない。また、この場合においても、浮力は船首部だけで保持する必要はない。

これらの増加した船首楼や舷弧は、通常航海中の船首部打ち込み荷重の制限に大きく寄与している事は、先に示したように、打ち込み荷重が船首を乗り越えた波の高さと強い相関を持つ事から明らかである。しかしながら、これがどれだけ荒天下での海水打ち込みの抑制に効果を及ぼしているのかどうかは明確ではない。前述したMARINの模型実験において、荒天下で波が激しく船首を乗り越えるようになると、打ち込み荷重に対する船首高さやブルワークの効果は余り認められないとの知見33)もある。今後、舷弧や船首楼の役割を評価する上でこれらの定量的な検討は重要である。

6.3 損傷時復原性能

27規則で規定される様な損傷時復原性規則は、ICLL66だけでなく、海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)等、ICLL66以外のIMO規則で規定されている事や規則のもととなる考え方として決定論と確率論の2通りある事から、混在を無くし調和のとれた規則にまとめるための作業が現在IMOにおいて実施されている50)。見直しを図る際には、これらとの整合性を図る必要がある。

現行第27規則は、ある区画が損傷して浸水した状態での釣合い条件から安全性を決定している。その一方で、先に示したとおり第1次改正案のハッチカバー荷重は浸水状態での動的な影響も考慮した設定となっており、同じ満載喫水線条約の中で、安全レベルの設定に大きな違いがある。

損傷時(浸水時)復原性や損傷時の構造強度の要件は、損傷、浸水等の条件をどの様に想定するかにより異なる。そのため、他の規則との整合性を図りつつ合理的な安全レベルを設定する必要があると考えられる。また、損傷時における舷弧や船首楼の役割についても定量的に検討する必要がある。

7 あとがき

本稿では、バルクキャリアの安全性強化とICLL66の見直し作業の動向及びこれらに係る技術的検討で重要な指標となった海水打ち込みの研究動向について説明した。

先にも示したように、ICLL66で想定している船舶と現在の船舶では大きな違いがある。一層の理論的かつ技術的根拠を求められる昨今の状況を勘案するに、合理的に基準を見直す必要がある事は明白である。

今後の見直し作業の中で、これまでの経緯から減少B型乾舷の意義とその定量的な評価に焦点が当たる事は予想に難くない。とりわけ、損傷時復原性及び構造強度との定量的な関連について検討が求められる事になると考えられる。更に、水線面上形状と船体運動ひいては船舶の安全性への関連も定量的に議論する時期が来たと考えられる。勿論この際には、既に強化された安全性を適切に考慮した上で検討を進めるべきであることは言うまでもない。

技術的な観点もさる事ながら設計及び運用の観点も考慮に入れて合理的に見直しを図るためには、我が国の担う役割が大きい事も明らかである。

これら船舶の安全に関連する研究について、我が国での益々の多彩な成果を祈念して結言と致したい。

謝辞

本稿で紹介した研究の一部は、日本財団の助成事業である「船舶関係諸基準に関する調査研究」RR-S-201研究委員会の研究成果である事及び海上技術安全研究所と財団法人日本海事協会との共同研究の成果である事を付記し、関係各位に謝意を表します。

また、今後の満載喫水線条約見直しに係る技術的問題の整理に関しては、RR-S201研究委員会の委員長高橋俊次郎日本海事協会船体部主幹にご助言頂いた事を付記し、謝意を表します。

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