平成23年10月6日
佐伯汽船株式会社
東 海運株式会社
独立行政法人 海上技術安全研究所
株式会社eスター
 

〜内航船(*1)として世界で初めて(*2)実運航を開始〜

セメント運搬船「鶴洋丸」に
排気ガスから発電する排熱回収システムを搭載

 
 佐伯汽船(株)と東海運(株)は、内航船(*1)として世界で初めて(*2)排気ガスから発電する排熱回収システムを搭載した セメント運搬船「鶴洋丸」の実運航を、10月7日より開始します。 この排熱回収システムは、(株)eスターが(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構の「高度船舶技術実用化事業」の 助成を受け、(独)海上技術安全研究所とともに共同開発したもので、摂氏300度程度の排気ガスから3kW程度の 発電が可能です。

 鶴洋丸は、総トン数749GTのセメント運搬船で、3台のディーゼルエンジン発電機(定格出力860kW)により発電し、 2台の推進用電動機で2重反転プロペラを駆動して推進します。 排熱回収システムは、熱源の温度差を利用して発電するスターリングエンジンを利用したもので、 1台のディーゼルエンジン発電機に取り付けられ、発電した電力は船内で利用されます。

 船舶等での排気ガス対策、省エネ技術の実用開発は、大きな社会的要請となっております。 これまで、外航船(*3)においては、蒸気ボイラから出る高温排気ガスを利用して発電する、排熱蒸気タービン発電 システムなどが実用化されていましたが、内航船(*1)では、多くの熱交換器や補機を必要とする蒸気タービン発電 システムの設置は難しく、また排気ガス流量が少ないため発電効率にも課題があり、排気ガスからの発電は困難 とされていました。
 今回、共栄船渠(株)(*4)において搭載した排熱回収システムは、わずか1mの長さの排気管に取り付けられ、 また摂氏300度程度の排気ガスから、約14%の効率で発電ができるため、内航船(*1)での搭載が可能となりました。 船舶の運航時には常に排熱回収発電が行われ、給電される船内の100V系統に対して、8〜10%程度の省エネ効果が 見込まれます。

 (株)eスターでは、今般の「鶴洋丸」での実績を踏まえ、当該排熱回収システムの内航船への普及を促進させていく とともに、船舶に限らず、工場や発電所などの排熱利用も含めた、より発電効率の高いエンジンの商品化を進め 量産効果を高めてまいります。 また、佐伯汽船(株)と東海運(株)では、今後、船舶の排気ガス対策や省エネ機器の導入を積極的に進めてまいります。

*1 内航船:国内の港の間を航行する船舶、数百トン程度のものが中心。
*2 平成23年10月6日現在。海上技術安全研究所調べ。
*3 外航船:海外の港と国内の港を航行する船舶、総トン数が数千〜数万トン程度の
   ものが中心。
*4 共栄船渠:船舶修繕業。本排熱回収システムの設置工事を施工。


[問合せ先]
電気推進船「鶴洋丸」に関して:佐伯汽船(株)             TEL:0972-22-1581
                     東海運(株)海運事業部 技術部 TEL: 03-5847-5756
制御システムの内容に関して:
      海上技術安全研究所 動力システム系 平田宏一    TEL:0422-41-3695
                     企画部知的財産・情報センター TEL:0422-41-3005
スターリングエンジンに関して:(株)eスター 赤澤輝行        TEL:06-6949-6963

排熱回収システムと電気推進船「鶴洋丸」の概要についてはこちらをご覧下さい。
 


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