平成24年10月12日
独立行政法人 海上技術安全研究所


IMO、代表海象での速力低下係数(fw)の計算試行暫定指針承認

当研究所の波浪中抵抗増加等の研究成果を基に

 

10月1日から5日まで英国ロンドンのIMO(国際海事機関)本部で開催された第64回海洋環境保護委員会(MEPC64)で船舶の温室効果ガス(GHG)削減対策に関する審議が行われましたが、独立行政法人海上技術安全研究所(理事長 茂里一紘)のこれまでの波浪中抵抗増加等の研究成果を基に、国内関係者のご理解を得て、日本が主導的に作成した代表海象での速力低下係数(fw)の計算試行暫定ガイドラインが承認されました。

 解説代表海象における速力低下係数(fw)を計算するためのガイドライン
 (fw計算ガイドライン)について
(※別紙解説図もご参照)
  解説図 PDF版(134KB)


2011年にMARPOL条約で導入された船舶の燃費効率の規制では、船舶は、EEDI(エネルギー効率設計指標)値として、通常、波や風のない穏やかな海面状態における船舶の燃費性能を計算します。しかしながら、実際の海象条件では、波や風の影響により、船舶の速力が低下します。波や風のある状況での船舶性能を正しく評価するため、わが国は「代表海象における速力低下(fw)を計算するためのガイドライン」の提案を行っていました。

 今次会合において、ごく一部の国の反対があったものの、多数の国の支持を得て、このfwガイドラインは暫定のIMOガイドラインとして承認されました。

 fwは、2013年1月1日から実施されるEEDI規制で作成されるEEDIテクニカルファイルにEEDIweatherfwを考慮したEEDI値)とともに記載することができることになっています。今回の承認により、fwを記載する場合には、ガイドラインに従い個船毎のシミュレーション計算を実施するか、船種別に作成した標準カーブにより載貨重量別に標準値を求められるようになりました。

 実海域における性能を客観的に評価することができるようになったため、実海域における船舶の性能向上が一層促進されることが期待されます。

当所では、この計算ガイドラインの開発に当たり、400 m水槽や実海域再現水槽を使って検証を行うとともに、多数の船種に対し実船計測も行い、検証を行ってきました。

                  
本件に関する問い合わせ先

(独)海上技術安全研究所
流体設計系長 宇都 正太郎
Tel:0422-41-3604



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