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お知らせ

平成30年7月26日

当所職員がプロジェクトリーダーを務めたISO規格の制定

知識・データシステム系宮崎恵子副系長がプロジェクトリーダーを務めてきた以下のISO規格が制定されました:
ISO?18079-5:2018 膨脹式救命設備の整備 第5部 膨脹型救助艇(Servicing of inflatable life-saving appliances ? Part 5: Inflated rescue boats)
ISO?17339:2018 生存艇及び救助艇のシーアンカー(Sea anchors for survival craft and rescue boats)

 5月30日に制定されたISO?18079-5:2018は、ISO?18079シリーズ「膨脹式救命設備の整備」の一部です。このシリーズは、膨脹部を有する救命設備の整備を規定するもので「第1部 一般規定」「第2部 膨脹式救命いかだ」「第3部 膨脹式救命胴衣」「第4部 降下式生存艇乗込装置」「第5部 膨脹型救助艇」で構成されています。ISO?18079シリーズ全5部は、ISO/TC?8/SC?1(国際標準化機構/船舶及び海洋技術専門委員会/海上安全分科委員会)のプロジェクトであり、新規のISO規格として一括して制定されました。
 作成に際しては、救命設備の整備のISO規格は、整備業務に影響することはもちろんのこと、非常時の安全に関わるため、日本の膨脹型救助艇メーカをはじめとする国内関係者と協力し、規格としてまとめあげました。

 7月19日に制定されたISO?17339:2018はシーアンカーの規格です。シーアンカーとは、漂流中の救命艇/救助艇や、もともと推進力を持たない救命いかだが、水中に投げ込んで使用する装備品であり、流れや波に対して救命いかだ等の向きが縦になるようにして、救命いかだ等の安定性を保つためのものです。ISO?17339:2018は、シーアンカーの機能と試験方法を規定するものであり、ISO/TC?8/SC?1のプロジェクトとして2002年版が全面的に改訂されました。
 改訂に際しては、海上人命安全(SOLAS)条約で義務化されている国際救命設備(LSA)コードの要件との整合を図るとともに、国内外の製品の動向を踏まえつつ、日本製品の市場確保を図りました。これまで使用されてきた2002年版では、シーアンカーの形状(吹き流し型)が規定されていたことに加え、LSAコードの要件以上の過剰な試験を含んでいましたが、我が国で一般的に用いられているパラシュート型のシーアンカーを排除させないため、設計や材質を限定せずに性能を規定し、かつ、適正な試験方法を規定する規格に改訂しました。