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2017/9/14

極限状態における浮体と係留ラインの挙動に関する実験を公開

国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所(うみそら研:大和裕幸理事長)海上技術安全研究所(大谷雅実所長)は9月8日(金)に極限状態における浮体と係留ラインの挙動に関する実験を公開し、海事産業、大学などから34名の方が参加しました。

「2012年1月に北海(ノルウェー沖)で発生した掘削リグの事故」のように、浮体構造物の係留ラインが破断する事故は未だ無くなりません。その原因として最大波高が有義波高の2倍を超えるような異常波に遭遇する場合が考えられます。通常、異常波が観測される時は波高の高い波が数波連続して発生します。このような極限状態における係留ライン張力の挙動は二通りのパターンが存在します。100 秒前後の大きな変動に波周期(15 秒程度)の小さな変動が重なる(長周期変動が支配的な)場合と波周期の大きな変動が発生する(波周期変動が支配的な)場合です。後者の場合、前者よりも大きな張力変動が発生して破断事故が発生する可能性が高くなります。


今回の公開実験では、様々な条件の係留浮体に異常波を含む不規則波を入射させ、係留ラインの張力変動がどちらのパターンとなるかを探るシリーズ実験の一例を紹介いたしました。


公開実験後の質疑応答では、活発な意見交換が行われ関心の高さが伺えました。

説明会
実験の様子