成形実験
FRTP基材には、テープ状FRTP(東洋紡績潟Nイックフォーム、ガラス含有率:50%)を50mm長にカットしたものを用いました。カット品を用いることにより基材の配置が容易になるとともに、曲面にも柔軟に対応できます。
加熱温度時間は225℃で60分としました。チャイン等の隅角部やリフティング・ストレーキ(船底の線状突起)も忠実に再現されました。
シリコンバッグによるFRTPの簡便成形技術
樹脂に熱可塑性のものを用いた FRTP(Fiber Reinforced Thermo Plastics)は、マテリアルリサイクルが比較的容易なため、資源・エネルギーの有効活用、環境対策に優れていると考えられています。
しかし、熱可塑性樹脂は、溶融状況においても比較的粘度が高く、含浸成形には教固な金型と巨大な加熱プレス機が必要なため、大型部材への適用は困難です。
そこで、あらかじめ、工場でガラス繊維に樹脂を含浸させたFRTP基材を生産し、これを用いて大型品の成形を行うFRTP簡便成形システムを開発しました。
FRTP簡便形成システムの概要
FRTP簡便形成システムは、一般的な熱硬化性樹脂を用いるFRPのレジンインフュージョン成形法を応用し、発展、完成させたものです。成形方法は、以下のとおりです。
@型上にFRTP基材を配置する
Aシリコンゴムシートで覆って排気し、FRTP基材に圧力を加える
Bこの状態で加熱し、FRTP基材の樹脂を溶融、一体化する
C冷却し成形品を得る
まとめ
FRTPの簡便成形法の実現に向けて、シリコンゴムシートを用いた成形システムを開発し、ガラス長繊維強化ポリプロピレンテープの成形に成功しました。また、同システムを用いて、ガラス織布への樹脂含浸も可能であることがわかりました。引き続き、加熱性能向上による成形サイクルの短縮を図るとともに、サンドイッチ材等厚物の成形についても技術開発を行っています。
海技研 櫻井昭男、小野正夫 東洋紡 山根正睦
金型及び真空バッグ
金型は、FRP製プレジャーボート模型のオス型(船長1.15m、船幅0.35m)から転写して作成した板厚6oのアルミ鋳物です。
真空バッグとして、レジンインフュージョンでは薄いナイロンシート等を用いますが、FRTP簡便成形システムでは、加熱するため、耐熱性の高いシリコンゴムを用いる必要があります。シリコンゴムシートはナイロンシートのような追従性がないため、製品形状を転写した形となるように、液状シリコンゴムを塗り重ねて真空バッグを製作しました。



【真空バッグ】