(3) 排ガスに含まれる環境影響物質の計測技術
概要環境エンジン研究グループは、船舶の環境対策を進める上で必要となる推進機関、発電機関などの排ガス中の環境影響物質、有害物質の排出特性を把握するための研究と共に、その低減対策を確立するための研究にも取り組んでいます。 @船舶排ガス中の環境影響物質の計測技術の高度化への貢献 A船舶排ガス中の有害物質削減に向けた研究 @船舶排ガス中の環境影響物質の計測技術の高度化への貢献 国際的な船舶の排ガス規制が強化され(2010年7月発効)、NOx 排出規制強化に併せてPMについても燃料中の硫黄分の制限で担保する形で排出規制が始まりました。一方、大気環境基準の項目に、これまでの浮遊粒子状物質(SPM、大気中に浮遊する粒子状物質のうち粒径10μm以下の粒子)に加え、PM2.5(空気力学径が2.5μm以下の粒子)が加わったことから、炭化水素分の一部のように気相で排出され、大気中で微粒子化するもの(二次粒子)の排出実態の把握が重要になっています。舶用ディーゼル機関の排ガス中には、この様な環境影響物質が多種含まれていることから、それらの成分をその排出形態に応じて個別に分離・定量する計測技術の確立が必要になります。 そこで、当所で実施してきた舶用ディーゼル機関の排ガスに適用できるPM計測手法の確立に向けた研究の成果を発展させ、PM2.5の前駆物質となりうる化学物質を中心に、船舶排ガス中の環境影響物質の計測・分析方法の検討と併せてその実態の把握に向けた研究を進めています。この研究の成果は、将来的に大気反応・拡散シミュレーションで用いる排出源データとして利用できると考えています。 |
![]() 図 PMの生成過程と計測の概要 |
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A船舶排ガス中の有害物質削減に向けた研究 ディーゼル機関の排ガス中の有害物質の削減については、自動車の分野を中心に、電子制御燃料噴射技術、触媒技術の導入により、大きな改善効果が得られていますが、船舶の分野では経済的な問題、燃料性状の問題等のため、それらの技術の導入は一部に止まっています。これらの技術の舶用機関への導入を目指し次のような研究を進めています。 電子制御燃料噴射技術を導入した舶用ディーゼル機関の運転実験等により、燃料噴射条件が排ガス性状(PM排出量、PM粒径分布等)に及ぼす影響を調べ、PMの成分(スート、SOF)の排出量を現状から50%低減することを目指しています。 |
![]() 図 電子制御燃料噴射機関におけるNOx 、PM排出量に関する研究の概要 |
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また、これまでのPM計測に関わる研究で明らかになった舶用ディーゼル機関のPM排出特性に関する知見を元に、今後対策が必要になると考えられる二次粒子前駆物質の中で炭化水素分に着目し、流通式反応装置を使用した模擬排気での浄化実験等により、舶用ディーゼル機関に適用可能な浄化プロセスの構成、見込まれる浄化性能及びその運用条件について基礎的な研究を進めています。
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@ Aに関連する最近の研究課題 ・船舶排ガス中における粒子状物質の実態解明と計測手法の確立に関する研究(2007-2009, 環境省地球環境保全等試験研究費) ・マルチ燃料対応舶用機関制御に関する研究(2008-2010,JRTT受託) ・環境影響物質の計測技術の高度化に関する研究(2011-2015,重点研究) 比較実験によるPM計測の精度、再現性の検証(2011,共同研究) 船舶からの亜酸化窒素排出実態の把握と削減手法の評価(2011,共同研究) ・低硫黄燃料油導入に伴う舶用機関の安全性に関する研究(2011-2015,重点研究) ・電子制御燃料噴射機関におけるNOx 、PM排出量に関する研究(2011-2012,先導研究) ・舶用ディーゼル機関排気中の有害有機化合物の浄化法の研究(2011,基盤研究) |
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