top bar
(4) 代替燃料等利用技術



概要

 船舶では燃料として重油が用いられています。重油に変わりLNGを燃料とする船舶の検討及び重油の着火性評価に関する研究や低硫黄燃料がエンジンに及ぼす影響等について研究しています。

@LNG燃料船のコンセプト検討

ALNG冷熱利用

B舶用燃料油へのLCO、CLOの利用に関する研究


@LNG燃料船のコンセプト検討

 世界的なエネルギー需要の増加により、船舶の燃料である石油の値段は上昇を続けています。一方で、温室効果ガスやNOxをなどの排ガス中の有害成分に対する規制も強まっています。こうした状況に対処するため、船舶燃料の石油からLNGへの転換が議論され始めてきています。例えば、LNGを舶用燃料として使用した場合、次のようなメリットが指摘されています。
 ・従来と比べNOxが約90 %、SOxがほぼ100 %、CO2が約25 %削減可能です。
 ・天然ガスは今後長期的には安定した価格で供給される見込みです。
 ・環境規制強化に伴う低硫黄舶用燃料油を製造コストや排ガス処理装置による追加費用の抑制が可能です。
 このためLNGを燃料に利用するLNG燃料船の実現により、排出ガス規制と燃料コストの問題を同時に解決できることが期待されています。
 次世代動力システムセンターでは、外航船では日欧航路用の9300 TEUコンテナ船を、内航船では1万トン、数百トンクラスのフェリーを対象に、バンカリング等の船舶以外の要素も含めたトータルシステムとして見た場合のLNG燃料船のコンセプト及び経済性を検討しています。




図 小型内航フェリーのLNG燃料船コンセプト図


図 外航コンテナ船(9300 TEU)のLNG燃料船コンセプト


ALNG冷熱利用

 これまで、次世代動力システムセンターでは主に陸上のLNGサテライト基地での適用を想定した冷熱利用スターリングエンジンの研究を実施し、液体窒素を用いた実験等を行ってきました。これらの成果をもとに、将来の船舶におけるLNG利用の新技術構築を目的とした300〜400℃程度のディーゼルエンジンの排ガスと-160℃程度のLNG冷熱の両方を利用した高効率なLNG冷熱利用システムについて検討を進めています。



LNG燃料船への排熱・冷熱利用スターリングエンジンの例


B舶用燃料油へのLCO、CLOの利用に関する研究

 これまで舶用ディーゼルエンジンの燃料指標として用いられているCCAI(Calculated Carbon Aromatic Index)は密度と動粘度によって燃料の着火性を評価しています。しかし近年、CCAIでは評価できない燃料があることが知られており、そこに下図のLCOが関係していると考えられています。接触分解軽油(ライトサイクルオイル;LCO)は硫黄分が少ないため、今後の燃料中の硫黄分規制の進展によって、舶用燃料中により混合されていくと考えられています。しかしLCOはセタン価が低く、機関の損傷等の原因になることが危惧されています。 そのため、この燃料をディーゼルエンジンにおいて良く燃やす手法について検討しています。また、NOx 等の排気成分についても低硫黄燃料の導入によってどのような影響があるのかについて研究を行っています。


図 石油精製の(脱硫・FCC)フロー

出典:舶用燃料重油の低質化対策指針VersionU ―難燃性燃料油対策― 財団法人日本海事協会2008年6月より

[ BACK ]    [ NMRI HOME ]
bottom bar