本計算法の応用で、最初に考えられるものは自由表面と浮体の有限振幅運動の解析です。波浪流体力や浮体運動の波高依存性の評価、過渡水波や巻波に対する浮体の過渡応
答の解析、自由表面上の形状の違いが浮体運動に及ぼす影響の評価など、種々の有限振幅運動解析への応用が考えられます。
従来、有限振幅動揺の解析には摂動法がよく用いられ、波高影響は波高に比例する線形項に波高の高次に比例する非線形項を加えたものとして表現されて来ました。本計算法は摂動展開を必要とせず、数値解は高次成分を含んだ時間波形として得られますが、数値解をフーリエ展開することで高次成分を分離し、摂動法による結果と比較することが可能です。
最初に左に示す船体中央横断面形状をした2次元浮体が波長2.7m、波高10cmの規則波中で自由動揺している状態の計算例を紹介しましょう。
船体運動
この波形は造波機で発生された波が浮体に到着し、過渡運動を経てほぼ周期的定常運動に達するまでの浮体運動の計算波形です。水槽実験と見間違うような波形ですね。実際に水槽実験の計測波形と良く一致しています。