最適トリム運航

OPTIMAL TRIM SETTING

 最適トリム運航は、積載状態に応じてトリムを調整することで推進性能の最適化を図り、その結果として省エネルギーを達成しようとする運航方法です。通常の運航では、船舶はプロペラの没水深度を維持するために、等喫水(even keel)状態または船尾トリム(trim by the stern)で運航されますが、自動車運搬船などの痩型船においては、逆に船首トリム(trim by the head)とすることにより推進性能が向上することもあります。

 実海域性能研究グループでは、このようなトリムと推進性能の関係を水槽試験や数値計算を通して調査しています。また平水中だけでなく、波浪中における推進性能へのトリム影響についても研究を行っています。

水槽試験による検討(自動車運搬船)

平水(波・風の無い状態)

ビューフォート風力階級6相当:向波向風
(有義波高3m、平均波周期6.7s、平均風速12.6m/s)

14ノットを出すために必要な主機出力の等値線図
(縦軸:中央喫水、横軸:船尾トリム)


発表文献
  1. 枌原 直人、辻本 勝、深澤 良平:自動車運搬船の喫水・トリムの推進性能への影響に関する研究、日本船舶海洋工学会講演会論文集、第16号、2013