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避難行動の実船実験を平成6年12月、平成7年7月および平成8年7月に運輸省航海訓練所練習船「青雲丸」で東京港接岸中合計8回行いました。青雲丸の主要目は、総トン数5,044トン、船長114.6m、船幅16.0m、乗船者定員256名(士官34名、部員42名、訓練生180名)などです。
実験では3層の甲板を使用し、被験者全員の避難場所を最上階の甲板としました(図)。垂直方向の避難経路は船尾階段、中央階段および船首階段の3つです。下から上の甲板に上るこれらの階段によって避難経路を各々ルート1、ルート2、ルート3と呼ぶことにします。多人数の収容される場所は居室、食堂、第一教室です。
被験者は年齢19〜20才の海員学校の学生で、平成6年は126名(男子122名、女子4名)、平成7年は76名(男子73名、女子3名)、平成8年は83名(男子80名、女子3名)でした。
被験者には実験開始前に通常の作業着や靴に加えヘルメットやゼッケンを着用させ、避難時には走ったり押したりしないように予め指示しました。初期位置に被験者を配置した後、一斉に避難させ避難場所に集合させました。被験者の初期配置は就寝時、休憩時及び講義時間などを想定し、表に示すように居室配置、分散配置、集中配置などとしました。また通路のドアは全て開け放して置きました。
観測は、階段・出口・通路等での人の流れを約25台のビデオカメラを設置して行いました。実験室でこのテープを分析しました。避難時間は経路別に15秒時間間隔の避難人数推移として求めました。 |
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初期の人の配置
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