ワンチップマイクロコンピュータを使った実験装置
第4章 マイクロコンピュータを使った実験装置例

4.1 パルスモータを動かしてみよう(AVR)


はじめに

 AVRマイクロコンピュータを使って,パルスモータ(ステッピングモータとも言う)を駆動させます。パルスモータは,直流モータとは異なり,回転角度制御ができますので,精度の高い運動をさせるのに適しています。
 以下で製作したパルスモータ駆動回路は,旅客船バリアフリーの研究の中で試作した電動車いす模型に使用していますが,パルスモータはその他の様々な用途で使うことができると思います。



パルスモータの制御信号

 パルスモータには様々な種類があるようです。ここで使用するのは,「2相励磁」の「ユニポーラ駆動」という形式のパルスモータ(型番55SPM23D7,秋月電子で購入)です。このパルスモータは,右図のように位相がずれた4相のパルスを入力することで,決められた運動をします。すなわち,AVRでこれらのパルスを発生させれば,パルスモータを任意に駆動することができるのです。
 すなわち,右図のように1周期を4等分すると,1/4周期で上のパルスから「1,0,0,1」となり,2/4周期で「1,1,0,0」,3/4周期で「0,1,1,0」,4/4周期で「0,0,1,1」の出力をすることになります。(1=+V,0=0Vです。わかりにくくて申し訳ありません。)このような周期で連続的にパルスを発生させることで,一定速度の回転が得られます。

 パルスモータについては,秋月電子の「汎用ステッピングモータドライブキット」の説明書やパルスモータの説明書に詳しく書かれています。なお,今回試作したパルスモータ駆動回路には,同キットに含まれている部品を多用しています。



パルスモータを動かすための回路

 第2章で紹介したAVRの基本回路の出力端子(PB0〜PB3)にパルスモータ駆動用のダーリントン型トランジスタ(汎用ステッピングモータドライブキット内部品)を取り付けました。下図がその回路図です。


パルスモータ駆動回路
(画像をクリックすると大きい画像が表示されます)

 右写真は試作したパルスモータ駆動回路の外観です。入力用として,4Pディップスイッチがつけられています。以下のサンプルプログラムでは,入力ポートのPD3でパルスモータの正転・逆転を設定し,残り3つのスイッチ(3ビット)で回転速度の設定ができるようにしました。

サンプルプログラム:pulse01.bas


パルスモータ駆動回路の外観



秋月電子電商

[ Microcomputer ] [ Hirata HOME ] [ Power and Energy Engineering Division ] [ NMRI HOME ]
Contact khirata@nmri.go.jp