ワンチップマイクロコンピュータを使った実験装置
第4章 マイクロコンピュータを使った実験装置例

4.9 セミフリーピストン形スターリングエンジン


 4.2節で紹介したパルスモータ駆動回路を使用した製作例を簡単に紹介します。ここで紹介するのは,セミフリーピストン形スターリングエンジンと呼ばれる外燃機関です。このエンジンの一部にパルスモータを使用しています。スターリングエンジンについての詳細は以下のリンクページで紹介しています。

 右の図は,セミフリーピストン形スターリングエンジンの構造です。このエンジンは2つのピストンがあり,そのうちの1つ(ディスプレーサと呼ばれるピストン)をパルスモータで駆動しています。

【補足:簡単な動作原理】
 簡単に説明すると,このエンジンのヒータを加熱している状態で,ディスプレーサを往復運動させると,熱エネルギーの一部がもう1つのピストン(パワーピストン)の機械仕事に変換されるのです。ディスプレーサには力がかかっていないので,それを駆動するエネルギーはパワーピストンの機械仕事よりもかなり小さくなります。

【補足:パルスモータの必要性】
 このエンジンの運転周波数は,ディスプレーサを駆動する周波数で決まります。そして,パワーピストンには運転に適した周波数(共振周波数付近)があるので,ディスプレーサの周波数を適切にコントロールする必要があります。そこで回転制御がしやすいパルスモータを使用しているのです。




スターリングエンジンのページ(海技研)

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