一方向性ピストンリング
埼玉大学で開発された一方向性ピストンリングは,リング溝に2本のプレーンリングが装着され,その内側にリング溝よりやや大きな幅を持つ切り欠きの付いたシリコンゴム製のリング(切り欠き付きゴムリング)が設けられています。さらに内側にはエキスパンダーリングが配置されています。切り欠きが作動空間側を向くように設置されているため,作動空間圧力がバッファ空間圧力よりも高い場合には作動ガスが作動空間から漏れにくく,逆の場合には作動ガスが作動空間内に吸入されます。すなわち,作動ガスの漏れ速度と吸入速度の割合を調節することが可能なピストンリングになっています。ゴム製のリングが用いられているため,漏れを大幅に減少させることができ,比較的圧力が低く,低回転数域で作動するエンジンに適したピストンリングです。
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一方向性ピストンリングの構造,原理などが紹介されています。 |