ロンビック機構について

1.ロンビック機構の構成

 図1にロンビック機構の構成を示す。ここで、p:歯車の軸間距離(=歯車のピッチ円直径)、L:連接棒長さ、R:クランク半径、e:ずれ、Y(=p-2e):ヨーク長さ、である。

図1 ロンビック機構

2.ピストン変位

 図2に示すように、左側の歯車に着目する。歯車の中心を原点とし、図中のクランク角をθとすると、パワーピストンの変位xp及びディスプレーサの変位xdは次式となる。

図2 ピストン変位
(1)
(2)

3.各ピストンの上死点・下死点及びストローク

 パワーピストンの上死点xp,max及び下死点xp,minは図3(a)及び(b)に示す位置であるので、
(3)
(4)
となる。したがって、ストロークSpは、
(5)
となる。
 同様にディスプレーサの上死点xd,max及び下死点xd,minは図4(a)及び(b)に示す位置となり、
(6)
(7)
で表される。したがって、ストロークSdは、
(8)
となる。

図3 パワーピストンの上死点及び下死点

図4 ディスプレーサピストンの上死点及び下死点

4.ピストン位相差

 図3(a)に示すパワーピストンの上死点及び図4(a)に示すディスプレーサの上死点に着目して、位相差αを
(9)
と定義する。図3(a)及び図4(a)より、
(10)
(11)
(12)
(13)
である。式(9)より、
(14)
式(3)、(4)、(6)、(7)、(10)〜(11)を式(14)に代入して、
(15)
となる。
 ここで、α=π/2のとき、cosα=0なので、式(15)から、
(16)
が導かれる。

[ Stirling Engine Dictionary ]