20xx年,巨大隕石衝突? |
地球に巨大隕石が衝突するかもしれない。そのとき人類はどのようになるのか,という研究は,日本スペースガード協会をはじめ,各国の学協会で活発に議論されています。その議論の中で,巨大隕石衝突後の「種の保存」のためのシェルター開発が検討されています。シェルターのエネルギー源にスターリングエンジンを利用することはできるのでしょうか。
巨大隕石衝突?
衝突後の地球
隕石の大きさや落下地点によりますが,海に落下した場合は超大型の津波が発生し,陸地に落下した場合は陸上施設の大破壊と大気中への長期間にわたる塵(ちり)が発生すると言われています。すなわち,シェルターは地下深くの岩盤あるいは海底に建設することになります。
シェルターの規模
シェルターで生活する人数や年数は全くわかりません。一つの想定例して,47名を10年間(あるいは100年間)という設定で検討されています。人数はもちろん,年数によっても必要とするエネルギー規模は大きく変わってきます。例えば,生活年数が1年の場合,日常生活に必要な最小限のエネルギーで済みます。10年になると,医療設備や小規模の農業・産業設備が必要になります。100年になると,文化を存続するためのあらゆる設備が必要になります。
スターリングエンジンの適用性
シェルターで必要になるのは,基本的には電気エネルギーと熱エネルギーです。想定しているシェルターがまだ具体的ではないため,スターリングエンジンの概念設計を進めることや適用性について考えることはできません。しかし,化石燃料や太陽エネルギーの使用ができないとすれば,原子力エネルギーが有望であると言われています。その場合,スターリングエンジンの適用可能性は十分にあると考えられます。さらに,熱源の量に制限を受けるなど,エネルギーの高効率利用が必要となる場合,現在のコジェネレーションの技術が役立つと思われます。
![]() |