平成25911

独立行政法人 海上技術安全研究所

 

国産初の発電用ガスタービンが未来技術遺産に登録

海技研として初の登録

 

 当研究所が保有する「国産発電用1号ガスタービン」が「重要科学技術史資料」(愛称:未来技術遺産)に登録され、登録証及び記念盾授与式が10日、国立科学博物館(東京都台東区)で執り行われました。当研究所の保有する機器・施設が未来技術遺産に登録されたのは初めてです。登録番号は第00126号。

 

 未来技術遺産は、独立行政法人 国立科学博物館(館長 林良博)が「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」及び「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図ることを目的に、平成20年度から登録を実施しているものです。平成25年度は22件登録され、合計135件となりました。

 

 今回登録された国産初の発電用ガスタービンは、もとは石川島芝浦タービン(現、東芝)が1943年(昭和18年)に開発した高速魚雷艇用のものでした。戦後、鉄道技術研究所が1947年に機関車用を目的に研究開始し、同ガスタービンを修理。1949年に運転試験を実施しました。その後、運輸技術研究所(現、海上技術安全研究所)が引継ぎ、工場への送電を行うとともに、ガスタービンの要素技術の研究に用いました。設計出力1,640kW2,200馬力)、設計タービン入口温度650℃、燃料B重油、単純解放サイクル1軸式、20段軸流圧縮機、直流形燃焼器2個、軸流4段タービン、熱効率約13%でした。同ガスタービンは、東京電力「電気の史料館」に貸与され展示されていますが、現在臨時休館中です。

 

 10日に執り行われた式典では、国立科学博物館の林良博館長から当研究所の千田哲也理事に登録証と記念盾が授与されました。なお今回登録された未来技術遺産のパネル展示が1012日まで、国立科学博物館・日本館1階センターホールで開催されています。