施設紹介シリーズ


 船舶や原子力プラントのような大規模なシステムにおいては、これらのシステムを運転する人間にどのように必要な情報を伝達するかが大変重要となっております。人間は、本来、優れた感覚(五感)・知覚能力を有しており、これをシステムの運転に活かすためのインターフェースを研究する必要があります。また、これらのシステムは、一般的にチームを組んでグループで操作されており、グループの構成者間の意思の伝達等のインターフェースの研究もまた必要となっています。  このため、平成5年度から仮想現実感実験室が整備されました。実験室とそれに接続している施設を図に示します。図の右側の部分が本庁舎にある仮想現実感実験室です。大型スクリーンへのプロジェクション装置と三次元音場システムが中心となっていて、大型の三次元画像の表示と立体音響を作り出し、同時に複数の人間がそれらを見たり聞いたりすることが出来ます。また、2台のマルチメデァプロジェクション装置(写真参照)を備えており、ヘッドマウントディスプレー装置をつけることによって二人が個別に仮想現実空間を体験したり、あるいは同時に一つの仮想現実空間を共有することが出来ます。さらに、感覚フィードバック入力装置を有しており、触覚に関する研究も可能にしています。  本装置は、図の左側の部分に示すように、所内LAN及び画像専用回線によりシステム技術部の操船シミュレータ(SRIニュースNo.1参照)とも接続されています。これによって、操船シミュレータのブリッジから見られる三次元景観画像を仮想現実感実験室のスクリーンに投影することが出来、操船シミュレータと連動して船舶の運航に関する研究を進めることが出来ます。  この実験室の整備によって、船舶の運航を含む大規模システム運転時における種々のヒューマン・マシン・インターフェースの研究が可能になりました。ヒューマンエラー防止のためのインターフェースの研究など、これから多くの研究が必要とされるこの分野において、今後も大いに活用される実験室です。

写真=マルチメディアプロジェクション
装置(ヘッドマウントディスプレーを装
置し、三次元マウスを手にしている。)

仮想現実感実験室および関連施設の構成