施設等紹介シリーズ

運動性能部  二次元水槽

写真1:二次元水槽

運動性能部にあるニ次元水槽は、長さ36m、幅lm、深さ2.5mの施設です。(写真1及び図)この水槽は他の水槽と違い、模型船を入れたり海洋構造物を浮かべたりすることは少なく、主な目的は海洋表面の流れや波を水槽内に再現し、可視化装置などを用いてその挙動をとらえることです。このため水槽の側
面には観測用の窓が取り付けられています。

図:二次元水槽断面図

波は水槽東端にある任意波の発生可能な造波装置によって造られます。造られた波は、西端にある消波板によって消され、反射波を防ぎます。また、レーザードップラ一流速計、超音波ドンプラ-型流速計などを用いて、砕波の瞬間的な現象である内部流速や一様流を計測しています。さらに1秒間に最大24 0コマ記録できる高速度カラービデオシステムを用いた画像解析も行っています。ここでの研究成果のー部は「船研総合報告」として近日出版される予定です。

海洋での波の存在は荒天下においては船舶や海洋構造物にとって非常に危険なものとなります。ことに砕波が生じるとそれは小型船舶を転覆させたり、海洋横造物を破壊することさえあります。現に砕波による事故例は海外でもいくつか報告されています。日本でも平成8年7月にNHK総合テレビ「生活ほっとモーニング」において小型船舶の転覆事故の一因として、二次元水槽での巻き波砕波(写真2)が紹介されています。

写真2:二次元水槽で造られた巻き波砕波

砕波現象は非線形、非定常な性質を持つためにその原因、形態、生起確率や海洋施設に対する作用などを明らかにするのがとても困難な課題といえます。しかし、これらの問題を解決していくことは、将来の海洋空間のさらなる利用技術の発展に際し、その安全性を確保するために是非とも必要なことです。