「二酸化炭素深海隔離国際シンポジウム」開催される


「二酸化炭素の深海隔離に関する国際シンポジウム“DEEP SEA&CO2 2000”」が、去る2月1日、2日の両日、当所講堂で開催されました。大学、官庁、公益法人、研究所(官民)、電力、石油、海運造船、機械、海洋開発などの多方面から約130名の参加があり、二酸化炭素の深海隔離技術に対する幅広い方々の関心理解を深めることができました。
97年12月に京都で開催された気候変動枠組み条約締約国会議(COP3)において定められた、先進工業国が達成すべき温室効果ガスの排出削減目標値の達成が困難視される中で様々な対策が検討されており、政府は、「二酸化炭素の海洋隔離技術」を、温暖化防止対策のために「推進すべき革新的技術」の一つとして定めました。こうした中で、当所の研究テーマである「二酸化炭素の深海隔離技術」に焦点を当てた初めての国際シンポジウムを企画したものです。
本シンポジウムは、米国6名、ノルウェー3名、国内9名の二酸化炭素の海洋隔離技術に関わる第一線の専門家を招いて実施したもので、Opening Addressに続いて次の5セッションが開かれ、合計20件の研究成果発表、ディスカッションが実施されました。


(第1日) 0
Session1 深海におけるCO2ハイドレ ートの挙動
Session2 CO2の深海隔離技術
(第2日) 0
Session3 海洋環境の評価
Session4 CO2海洋隔離プロジェクトの課題と将来計画
Session5 ディスカッション「実用化に向けて今後何をなすべきか」


米国は、世界最大のCO2排出国としてその削減対策に苦慮しており、今後の温暖化防止対策のカギを握る国として注目されます。ノルウェーは、北海天然ガス田の沖合地下帯水層へのCO2圧入処理を既に実施中であり、温暖化防止対策に大変熱心な国です。我が国では、工技院−NEDOグループがCO2溶解法に関する国際共同実験計画を展開中で世界の注目を集めており、また、当所は深海貯留法について重点的に研究を実施しています。
本シンポジウムでは、こうしたプロジェクトの当事者を含め、二酸化炭素の海洋隔離技術分野で世界をリードするこれら三国の地球科学、化学、海洋学、工学、海洋生物学など多彩な分野の専門家から貴重な研究成果が発表されました。
また、最後のセッションでは、「今後何をなすべきか」について7名の講演者から経験に基づく見解が披露され熱心な議論が展開されました。当所の重要な共同研究者である米国モンテレー湾海洋研究所 Dr.Brewerの実海域実証試験を重視した前向きな見解、ハワイ沖国際共同実験計画主幹であるハワイ大学 Masutani助教授の同実験計画からの技術的・社会的課題の紹介、コロンビア大学・地球科学研究所 Takahashi副所長の海洋環境・生態への影響評価を一層重視すべきであるという慎重な意見などそれぞれが内容のあるもので予定時間も約1時間オーバーしたほどです。
最後に、シンポジウム委員長である大阪大学大学院大垣教授の論評として深海隔離が地球環境に与えるポジティブ、ネガティブ両面の総合的な環境評価の検討が今後の重要課題であり、また、深海隔離実用化に当たっては世界のコンセンサスが不可欠なことから、
そのために今後とも国の垣根を越えて協力していく旨の提案がなされ成功裏に終了しました。
なお、本シンポジウムはシップアンドオーシャン財団の支援を得て開催したものです。





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