船舶技術研究所の独立行政法人化について

 平成13年4月、船舶技術研究所は、他の82の国の機関・業務(うち試験研究機関が55)とともに独立行政法人化されました。これに伴い、名称も「独立行政法人海上技術安全研究所」に改め、船舶の安全、海上交通の高度化、海洋の利用促進等に関する研究を行う研究所として新たなスタートを切りました。
 ところで、独立行政法人とはどのような組織で、新しく設立された研究所はこれからどのような業務を行うのでしょうか?

【独立行政法人とは?】
 これまで国の行政機関においては、予算の執行、組織等に関し強い規制がなされるため、時として、機動的、弾力的な運営が難しいケースがありました。また、明確な目標設定、結果の評価を行う仕組みがないため、自発的な効率化のインセンティブや業務の質の向上が働きにくい、業務の内容が国民からわかりにくいとの指摘もなされていました。独立行政法人制度は、こうした指摘を踏まえ、今までの行政組織、運営の問題点を改善した新しい行政の形態です。
 その特徴は以下のとおりです。

@国の行政の中から実施部門を分離して、業務運営面での独立性を高めた法人とする。
A法人の業務運営についての情報公開を進め、行政サービスの向上や業務運営の効率化を図る。
B全ての独立行政法人に適用される共通のルール(注:独立行政法人通則法(以下「通則法」という))を
 定め、業務内容の定期的な評価制度、国による関与等を定める。


 特に、Bの事項は、独立行政法人制度のいわば骨格とも言うべきもので、通則法によれば、国は3年から5年の期間で中期目標を設定し、独立行政法人は当該目標を達成するための中期計画を作成、これに基づいて業務運営をすることとされています。
 業務運営に際しては、国の関与が基本的な枠組みに限定され、組織、人員管理、財務面で自らの創意工夫による効率的な運営が可能となります。また、中期計画期間の終了後は、中期目標に対する達成度の事後評価を中心とした外部の専門家によるチェックがなされます。主務大臣は、こうした専門家の意見を聞いた上で、業務内容、組織のあり方等法人運営の全般にわたって、必要な措置を行うこととされています。


【海上技術安全研究所の中期計画はどのようなものでしょうか?】
 海事分野においては、大規模タンカー事故の発生等による環境汚染問題や、海洋開発に対する社会的要請の高まりを背景として、新技術の導入による安全の向上、環境負荷の低減、海上輸送の一層の効率化、海洋空間の利用などが重要な課題となっています。
 また、長年にわたり世界一を誇ってきた我が国の造船業界においては、諸外国との厳しい国際競争下にあり、技術面での優位性を維持することが産業戦略上、重要な課題となっています。
 このような状況を踏まえ、海上技術安全研究所の第一期中期計画(平成13年度〜17年度)においては、船舶技術に関する中核的研究機関(COE:Center of Excellence)として、特に以下の事項を推進し、研究成果等の社会への還元を図ることとしています。
 ●船舶の事故を防ぎ人命や貨物を守るための基準や、油流出事故等による海洋汚染防止のための基準作りの
  基盤となる研究の推進
  (例)・タンカーによる油流出事故防止に関する研究
     ・核燃料物質輸送時の災害対策に関する研究
 ●海上物流の効率化や環境保全等の社会ニーズに対応した革新的な技術開発の推進
  (例)・環境に優しく効率の良い次世代内航船の開発
     ・メガフロート情報基地の実証試験
     ・FRP廃船高度リサイクルシステムの構築に関する研究
 ●海事分野における安全の確保、環境影響の評価等の基礎となるデータベースの整備
 ●造船産業技術の高度化に向けた取り組みに対する支援
  (例)・受託研究及び共同研究の推進
     ・研究所が保有する特色ある施設の貸与
 また、これらの業務を効率的に実施するための措置として、研究グループ制度の積極的な活用や任期付き研究者の採用、研究テーマに応じた研究者を職制に関わらず登用するとともに、産学官の連携のもとで効率的な研究の実施を図るなど、プロジェクト研究への対応体制を整備することとしています。
 一方、施設整備面では、必要性の高いものを重点的に整備し、新たな研究開発ニーズに対応することとしています。



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