1.4 ワンチップマイクロコンピュータの開発環境
マイコン機器を開発するために,最初にそろえなければいけないのは,ライターとコンパイラです。ライターとは,プログラムを書き込むための装置です。コンパイラとは,パソコン上で作成したプログラムをチップ用の言語に変換するためのソフトウェアです。これらには,PIC用,AVR用ともに様々な種類があります。以下のリンクページから,好みのものを探してみてください。なお,プログラムを作成するには,パソコン(Windowsマシン)が必要です。
(1) PICライター(一例)
作者が使用しているPICライターは,PDE-NXという機種です。IPIで購入しました(15800円)。DOS/Vパソコンのプリンタポートに接続して使います。レバーで簡単に脱着できるソケットはとても使いやすいです。
(2) PIC用コンパイラ(一例)
主にMEL BASIC Compiler(9800円)を使用しています。MEL-PBCPro BASICコンパイラ(25000円)も持っていますが,ほとんど使っていません。秋月電子電商でCコンパイラも購入しましたが,一度も使っていません。どのコンパイラを使っても,最終的にはHEXファイル(マシン語)になるので問題ありません。各自の使いやすいコンパイラを探しましょう。
(3) AVRライター(一例)
AVR-ISP(IPI,5800円)を使用しています。BASICコンパイラのデモ版(これだけでも十分)が付属しています。PICライターと同様,パソコンのプリンタポートに接続して使います。
(4) AVR用コンパイラ(一例)
ATMEL社AVR用BASICコンパイラ(BASCOM-AVR Standard Edition,12800円)を使用しています。昔からNEC PC98シリーズのN88-BASICやDOS用Quick Basic,Visual Basicを使用している作者にとって,とても使いやすく,とても気に入っています。

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1.5 ワンチップマイクロコンピュータでどんなことができるのか?
ワンチップマイクロコンピュータを使えば,何でもできるというわけではありません。パソコンのように,キーボードから文字を入力したり,大きいモニタに画像を表示させたりすることには適していません。簡単に言えば,ワンチップマイクロコンピュータは,外部からのON/OFFの信号(デジタル信号)を読みとり,書き込んだプログラムによって何らかの計算をして,外部にON/OFFの信号を出力するだけです。ここで,「ON」とは電圧5 Vの信号,「OFF」とは電圧0 Vの信号だと考えてください。
これだけのことしかできないマイクロコンピュータですが,外部のスイッチやセンサーを入力として,適当なプログラムを作ることで,パルスモータの制御やラジコン模型用(R/C)サーボモータの制御をすることができます。これを利用すれば,高性能なロボットを作ることもできるでしょう。また,液晶ディスプレイを取り付ければ,計算結果を表示することができ,簡単な測定器を作ることもできます。