機械設計のための基礎製図 第3章 基礎作図
正多角形の作図
以下,多角形を作図する2つの方法(1)を紹介する。
方法@
【例題】円周を7等分し,正7角形を作図しなさい(付図3.1参照)。
(1) 直径ABの円を作図する。
(2) 直径ABを7等分し,その等分点を1,2,・・・,6とする。
(3) コンパスを使って,AB=AC=BCとなる点Cを求める(△ABCは正三角形)。
(4) 点Cと点2を結び,その延長線と円とが交わる点をDとする。
(5) 辺ADは円周を7等分する基準長さとなるので,円周を7等分できる。
(6) 正7角形を作図する。

付図3.1 正7角形の作図
【補足】同様の作図法で,直径ABをn等分すれば,正n角形を作図できる。付図3.2は正9角形及び正5角形を作図した例である。ただし,n=3,4,6以外は近似法である。

付図3.2 正9角形と正5角形の作図
方法A
【例題】与えられた1辺の長さより,正7角形を作図しなさい(付図3.3参照)。
(1) 線分ABを作図する。
(2) 線分ABを底辺とする正三角形の頂点Cを求める。
(3) 円弧OBを6等分して,各等分点を1,2,・・・,5とする。
(4) C1=COとなるように,点Oを求める。
(5) 点Oを中心とし,点A及び点Bを通る円は正7角形の外接円となるので,正7角形の頂点が求まる。
(6) 正7角形を作図する。

付図3.3 正7角形の作図
【補足】付図3.4に示すように,同様の作図法によって,C1=C7,C2=C8,C5=C10,C6=C12となるように点7,点8,点10,点12を求めれば,様々な正多角形を作図できる。ただし,n=6,12以外は近似法である。

付図3.4 正多角形の作図
参考文献
(1) 岩井実,石川義雄,喜山宣志明,第三角法図学,p.10-11,森北出版(1986).
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