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第1章 とりあえず知っておきたい基礎知識

バリ取り



バリ取りは機械加工の基本

 "バリ"とは,材料を切ったり,削ったりした際に材料の角にできる"出っ張り"のことである。図1に示すような目でよく見えるバリもあるが,触ってみないとわからない小さなバリもある。ヤスリを使って丁寧にバリをとることは,高い精度で機械部品を作るための基本である。材料を切ったり,削ったりした後には,こまめにバリをとるように心がける。


図1 バリ
なぜバリをとるのか?

@機械加工では,材料をバイス(万力)やチャックに固定して加工することが多い(図2)。材料にバリが残っていると,材料がまっすぐに固定できないので,加工面が傾いたり,曲がったりする(図3)。もちろん,小さい切り屑が挟まっていたりしても同様である。

図2 材料の固定

図3 バリがあると・・・

Aバリがあると,部品の正しい長さを測定できない。測定の前にはバリをとる必要がある。

B大きい工作機械を動かしているとき,作業者は,けがをしないように注意する。しかし,何となく材料を持っているときや運んでいるときには注意を怠る。バリで指をけがすることはとても多い。
C当然であるが,部品にバリが残っていると,正しい組立ができない。


図4 バリがあると・・・



バリの取り方

板材のバリ取り
 板材を切り出しり,削ったりすると,必ずバリができる。作業台の上などに材料をしっかりと押さえて,ヤスリを使ってバリをとる。ヤスリは押して削るのが基本である。


図5 板材のバリ取り
旋盤加工後のバリ取り
 旋盤加工をした場合も角にバリが残っている。旋盤を回しながら,ヤスリを当てれば,簡単にバリをとることができる。指がバリに触れるとけがをするので気をつける。


図6 旋盤加工のバリ取り
穴あけ加工後のバリ取り
 ドリル加工やタップによるねじ切り加工をした後のバリは,穴の直径よりも大きいドリルで削り取る。少しのバリであれば,ドリルを押し付けながら手で回せばよい。バリが大きい場合やドリル穴が多い場合はボール盤を使うとよい。


図7 穴あけ加工のバリ取り

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