機械加工の基礎知識
平田 宏一
E-mail: khirata@nmri.go.jp

筆者は,スターリングエンジンや魚ロボットをはじめ,様々な模型や実験装置を作ってきました。このページでは,機械加工をこれから始める機械科の学生を対象として,機械加工の手順や方法について紹介しています。機械加工の初心者にもわかりやすくするため,なるべく多くの実例と写真を載せるように心がけています。
以下の内容はまだまだ不十分であり,使用している工作機械に固有の使用方法や誤った記述が含まれているかと思いますが,ご了承ください。 |
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このHPが本になりました。「絵とき 機械加工 基礎のきそ」日刊工業新聞社より1800円+税。 |
はじめに
第1章 とりあえず知っておきたい基礎知識
本章では,実際の機械加工を始める前に知っておきたいことや旋盤加工やフライス加工に共通な内容について説明する。
機械加工の大まかな流れ:機械加工の位置付けや流れについて考える。
バリ取り:正確な部品を作るための基本。
寸法の測定:ノギスとマイクロメータを使う。
加工精度と寸法公差:寸法公差や表面粗さ,基準面の重要性。
けがき作業:材料に線を引くための工具を紹介する。
ドリルについて:穴あけについての基礎知識。
円筒部品のけがきと穴あけ加工:ボール盤で円筒部品の円周上に穴をあける。
タップとダイスを使った「ねじ切り」:ねじの基礎知識とねじの切り方。
グラインダ:卓上グラインダは機械加工の必需品。
材料の種類と形状:いくつかの代表的な金属材料を紹介する。
第2章 材料の切り出し
旋盤やフライス盤で機械部品の形状を仕上げる前に,材料を切り出す必要がある。以下,代表的な材料の切り出し方法を紹介する。
帯のこ盤:板材を切り出すのには「帯のこ盤」を使う。
弓のこ盤:丸棒を切り出すのには「弓のこ盤」を使う。
手のこ:小さい材料や直径10 mm以下の細い材料を切り出す。
足踏み切断機:薄板を手っ取り早く切断する。
高速切断機:アングル材やパイプを短時間で切断する。
ガス切断:アセチレンガスを使った切断。
その他の切断用工具:金きりハサミ,ペンチ,ニッパ,カッター・・・。
第3章 旋盤を使った加工
旋盤は,機械加工で最もよく使われる工作機械の一つである。円柱形状の部品を製作する際に使う。
旋盤の基本操作:旋盤を使って加工する。
右片刃バイトを使う:旋盤加工の基本は右片刃バイト。
旋盤による穴あけ加工・中ぐり加工:ドリルや中ぐりバイトを使って穴をあける。
突切りバイトを使った溝加工:突切りバイトを使って,フィンやOリング溝を作る。
旋盤を使ったねじ切り加工:どうしてもタップやダイスがないときは旋盤でねじを切る。
四爪チャックを使う:偏心させた位置に穴をあける。
ジグを使った旋盤加工:チャックがしにくい部品を製作する場合はジグを使って加工する。
高い精度が必要な部品の加工:旋盤加工で問題となる加工精度と加工方法について考える。
第4章 フライス盤を使った加工
フライス盤を使うと,複雑な形状の部品を作ることができる。大きく分けて,平面を作る場合と穴をあける場合に使う。
フライス盤の基本操作:フライス盤の基本構造を紹介する。
ドリルを使う:フライス盤で正確な穴あけ加工を行う。
エンドミルを使う:エンドミルはフライス加工に欠かすことができない工具。
大きい材料の固定:クランプを使って材料を固定する。
ジグを使ったフライス加工:ジグを使って任意の角度に仕上げる。
第5章 溶接とロウ付け
旋盤やフライス盤の加工は材料を削る加工であるのに対し,溶接やロウ付けは材料と材料を接合するための加工である。
溶接の種類と概要:いくつかの代表的な溶接法を紹介する。
アーク溶接:鉄系材料に最もよく使われる溶接。
ガス溶接:アセチレンガスを使った溶接。薄い鉄板の溶接もできる。
TIG溶接:ステンレス鋼やアルミニウムの溶接も可能?
ロウ付け:これを使いこなせれば機械加工の幅が広がる。
第6章 その他の加工
少し特殊な加工や工作機械について紹介する。
FRPの加工:強度もあり,曲面の加工も比較的簡単にできる。
配管:気体や液体を扱うときに必要。使いこなせば高圧シールも可能。
接着剤・充填剤:そろえておくと何かと便利。
おわりに
付録
安全マニュアル:機械加工に関連した安全マニュアル。
機械加工に役立つリンク集:機械加工に関連したリンク集。
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