top bar
第1章 とりあえず知っておきたい基礎知識

ドリルについて



ドリルを使う

 ドリルは,穴あけ加工に使用する工具であり,機械加工の中でも最もよく使われる工具の一つである。先端部分が「刃」になっており,金属加工に用いられるドリルは,先端の角度が90度または120度になっているのが普通である。
 ドリルの直径は,1 mm以下のものから40 mm以上のものまで,様々なものが市販されている。ただし,チャック部が平行なストレートドリルは,通常,直径13 mm以下である。ボール盤などのチャックは直径13 mmまでの太さまでしかチャックできないものが多いので注意する。13 mmを越えるドリルは,チャック部がテーパー(斜め)になっているテーパードリルである。このようなドリルはフライス加工や旋盤加工の際に使用される。

図1 ドリル

図2 テーパードリル
ドリル加工をするための工作機械

 ドリルはボール盤,フライス盤,電動ハンドドリルなどに取り付けて使われる。最も精度が高い位置に穴をあけることができるのはフライス盤である。一般に,ハンドドリルは穴の位置がずれやすいので,特別な場合を除き,機械部品を作る際には使用しない方がよい。

図3 ボール盤

図4 フライス盤

図5 電動ハンドドリル


ドリルを研ぐ

 約6 mm以上のドリルはグラインダーを使って自分で研ぐことができる。切れるドリルを研ぐのはかなり熟練がいるが,基本的にはドリルの2面の刃先が材料に当たるようにすればよい。
 その手順としては,まず,刃先を垂直に真横から見て2枚の刃先の角度を等しく,しかも先端が中心線に一致するように,ドリルを手で回しながら削る。角度が異なっていたり,中心がずれていると,片側の刃だけしか材料に当たらない(図7)。
 次に,片方の刃づつ,刃先に「逃げ角」をつける(図8)。逃げ角がないと刃先が材料に当たらないからである。図8(c)に示すように,一見すると逃げ角があるようであっても,先端だけが平らになっていることがあるので注意する。

図6 ドリルの先端部

図7 刃先の角度を等しくする

図8 逃げ角をつける

[ Metal Working TOP ] [ Hirata HOME ] [ Power and Energy Engineering Division ] [ NMRI HOME ]
bottom bar
Contact khirata@nmri.go.jp