第1章 とりあえず知っておきたい基礎知識
円筒部品のけがきと穴あけ加工
円筒部品の円周上に穴をあける
機械部品では,円筒部品の円周上に複数の穴をあけることが多い。図1に示す部品において,4つの円周上の穴をボール盤であける手順を紹介する(図2〜7)。
図1 部品図
図2 円柱材料を固定する
材料を写真のような四角いブロックに固定し,デジタルハイトゲージで寸法を測りながら,横方向の中心線(材料の中心1本と穴の中心2本)をけがく。最初にノギスを使って材料の外径をできるだけ正確に測定しておき,ハイトゲージを上面に当てた位置から半径に長さだけ降ろした位置が材料の中心である。
図3 穴の中心線をけがく
ブロックを90度の角度に寝かせて,垂直な3本の中心線をけがく。図2と同様,ハイトゲージを上面に当てた位置を基準とする。
図4 センターポンチで印をつける
穴の中心(けがき線の交点)にセンターポンチを当てて,ハンマーでたたいて印をつける。この印がそのまま加工精度になるので,できる限り丁寧に。
図5 けがきを終えた材料
けがきを終えて,センターポンチの印をつけた材料。
図6 ボール盤による穴あけ
ボール盤で所定の位置に穴をあける。それほど気を使わなくても,たいていの場合はセンターポンチで印を付けた位置に合う。
図7 完成
完成した部品。
Vブロックで円柱部品を固定する
図8及び図9に示すVブロックも円柱部品を固定するために使用する。しかし,図1のようなブロックのような材料を固定するねじが付いていないので,やや使いづらい。(筆者は,けがきのために使ったことはない。)
図8 Vブロック
図9 Vブロックによる材料の固定
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