旋盤のチャックは,円周上に配置された「爪」を狭めていくことで,材料を固定する。通常の旋盤加工では三爪チャックを使う。一般の旋盤加工では,材料の芯(中心)を出して円柱状に削ることが多いので,3つの爪で材料を固定するのが便利なためである。一方,材料を偏心させて削ったり,あるいは偏心させた位置に穴をあける場合,四爪チャックを使用する方法がある。これは4つの爪の長さを調整することで,材料を任意の位置に固定できる。ただし,四爪チャックによる材料の固定は,位置調整がかなり難しい。また,チャックの付け替えにも時間がかかるので能率が悪い。やむを得ない場合を除いて,むやみに使用しない方がよい。
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図1 三爪チャックと四爪チャック
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