第6章 その他の加工
FRPの加工
FRPについて
FRPは,ガラス繊維を樹脂で固めたものであり,一般のプラスチック材料と比べて強度が高い材料であり,しかも金属材料よりも軽いという特徴がある。また,適切な型を作れば,曲面の加工も比較的容易である。FRPの加工を扱いこなすことができれば,様々な形状の機械を作ることができるであろう。
FRPの加工手順
以下,魚ロボットUPF-2001の胴体を製作した手順を紹介する。今回は,木材とウレタンで型を作り,それにFRPを被せることとした。手間はかかるが,石こうの型を作ればさらにきれいな加工が可能である。
型の作成

(1) 木枠の製作
魚ロボットの木枠を作成する。最終的に仕上がる曲面(流線形)の形状である。
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(2) ウレタンの挿入
木枠の中にウレタンを挿入する。これはFRPの型であるのと同時に,魚ロボットのフロート(浮材)としても機能する。
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(3) ウレタンの整形
のこぎりやヤスリなどを使って,ウレタンを丁寧に整形する。
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(4) 型の完成
全ての型を仕上げる。FRPを加工した後にウレタンをはがしたい箇所には,表面にセロハンテープを貼っておく。
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図1 型の作成
FRPの作成

(1) マットとクロスの切断
FRPの素材となるガラスマット,ガラスクロス。を適当な大きさに切断する。
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(2) 樹脂の調合
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(3) FRPの製作開始
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(4) ガラス繊維の積層
ガラスマットとガラスクロスを交互に積層する。1枚ごとに樹脂を塗っていく。今回はマット3枚とクロス2枚を使用した。
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図2 FRPの作成
FRPの成型

(1) FRPの完成
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(2) 不要部分の切断
不要な部分をハンドグラインダーで切断する。このときのFRPの粉はかなり強烈である。
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(3) ハンドグラインダー
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(4) ベルトサンダー
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図3 FRPの成型
最終仕上げ

(1) 表面研磨終了
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(2) パテ埋め
さらに細かい穴や凸部分をパテ埋めする。早く完成させたいが,ここで焦ってはいけない。
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(3) 塗装
いよいよ塗装している。今回は白と空色のツートンカラーとした。
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(4) 完成
魚ロボットのFRP製胴体が完成した。十分に満足できる仕上がりである。
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図4 最終仕上げ
FRP部品の製作例
いくつかのFRPを使用した製作例を紹介する。図5は模型スターリングエンジンを搭載した水陸両用船であり,その船体にFRP(カーボンファイバー)を使用している。十分すぎるほどの強度に仕上がっている。また,図6は競技用の人力船である。船体とフレーム(パイプ)にFRP(カーボンファイバー)を使用している。

図5 模型スターリングエンジンボート
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図6 人力船
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