ロウ付け
ステンレス鋼や鉄鋼はロウ付けしやすい。これらは融点が高く,若干加熱しすぎても材料が溶けないからである。また,黄銅や銅はロウとの相性がよいため,かなり簡単にロウ付けできる。熱がかからず,それほど高い強度を必要としない場所であれば,銀ロウでなく「はんだ」でも簡単に固定できる。一方,アルミニウム合金はロウ付けしにくい(筆者は一度もうまくできたことがない)。ロウとの相性が悪いばかりでなく,融点が低いため少しでも加熱しすぎると材料が溶けてしまうためである。
ロウ付けができると機械加工の範囲が広がる。ロウ付けは,比較的簡単に気体や液体の漏れを止めることができるので,配管部品に利用しやすい。以下,いくつかの使用例を紹介する。
模型スターリングエンジンの連結管をロウ付けで固定した。部品が小さいので,ロウ付けはそれほど難しくない。強度・耐熱性にも十分である。連結管には直径3 mmのステンレス管を使用しており,シリンダ側の部品もステンレス鋼製である。
実験用スターリングエンジンに圧力センサや熱電対を取り付ける際,シリンダに直径3 mmのステンレス管をロウ付けした。最高で1 MPa程度のガス圧力がかかるが,ロウ付け部からのガス漏れもなく,強度も十分である。
@フラックスは材料とロウに適したものを使う。 Aアセチレンガスを扱うには資格が必要である。 B火傷や火事に気をつける(当然だが)。 Cコンクリートの上で加熱すると,コンクリートの破片が飛んでくることがある。