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続:機械加工の基礎知識
NC旋盤/マシニングセンター |
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★NC機械を使いこなすために |
NC旋盤とマシニングセンターが実験室来てから半年がたちました。一般の町工場と比べて,稼働率は高くありませんが,NC機械でそこそこの機械部品を作ることも多くなってきました。以下,おわりのご挨拶として,NC機械をさらに使いこなすための要点をまとめます。 |
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●適切な切削条件の選定
汎用機械と同じく,NC機械においても,回転数,送り速度,切り込みの設定が重要です。汎用機械では,切削時の音や切りくずの形状を見聞きすれば,ある程度の「切れ味」がわかります。しかし,NC機械では,切削時の音が聞きづらく,刃先が見づらいので,これらの値を適切に選定するのは簡単なことではありません。機械加工のセンス(勘)と経験が重要です。 |

旋盤加工の切削条件 |
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●刃の摩耗
高精度・高分解能で刃物の位置を制御できるNC機械ですが,実際の加工では刃先の摩耗によって,部品の加工精度(仕上げ寸法)は大きく変わってきます。高精度の部品を作り続けるためには,刃の摩耗をどのように見積もるか,あるいはどのタイミングで刃物(チップ)を交換するのかなどの判断が重要になります。 |

チップの先端 |
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●精密測定と工具設定
高精度な部品を製作するには,準備段階での部品寸法の精密測定と適切な工具設定が必要になります。実際には,1/100mm単位の測定はかなり難しく,測定一つにとっても高い技術・技能が必要になります。 |

精密測定に必要なマイクロメータ |
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●加工速度の短縮
NC機械に慣れていない場合,加工速度を短縮する必要は全くありません。むしろ,いつでも機械を止められるように,余裕のある,ゆっくりとした加工を心がけるべきです。しかし,ある程度NC機械を使いこなすようなると,加工速度が要求されるようになります。その場合,切削をしていない早送りの際,いかに最短距離を最速で移動させるかがポイントとなります。 |

最短距離の移動 |
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●加工手順の最適化
さらにNC機械を使いこなそうとする場合,加工手順(加工の順番)を最適化することが重要になります。円柱外面や平面などの単純形状を加工する場合はそれほど難しいことではありませんが,テーパ面や球面などを加工する場合,どのような手順をとるのかによって,プログラムの複雑さや加工速度が大きく変わります。 |

加工手順の最適化 |
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