続:機械加工の基礎知識
NC旋盤/マシニングセンター
★これだけは気をつけたい!
 NC機械は操作を間違えると,機械の破損や加工部品の破損,あついはそれ以上の大事故につながることがあります。以下,運転時の注意事項をまとめます。
●工具移動時の衝突
 工具をチャックやバイスあるいは加工中の材料ぶつけるのは致命的です。あらゆる場合においても,絶対に避けなければなりません。
 手動運転のときと自動運転のときでは座標の値が異なることがあります。座標系に慣れるまでは材料やチャックあるいはバイスから離れた場所で試運転をするとよいでしょう。
【注意】次の間違いに注意!
  • 座標の値を間違える(単純ミス)。
  • 座標の正負や移動方向を間違える。
  • 工具パラメータ設定値を間違える。
  • 座標軸を間違える。
  • 工具移動時の逃げが足りず,工具の移動経路にチャックやバイスがある。
  • 早送りG00と切削送りG01を間違える(移動経路が異なる)。
●工具交換時の衝突
 NC機械の工具交換時,工具は大きく動きます。例えば,右写真のように中ぐりバイトが出っ張っている講義がある場合,チャックの近くで工具交換をすると,中ぐりバイトとチャックがぶつかります。また,マシニングセンターにおいても,長いドリルを使用する場合など,バイスと接触・衝突しないように,工具交換時のテーブルの位置には注意が必要です。
工具交換時の工具位置・テーブル位置に注意!

工具交換時の衝突の危険
●切りくずの処理
 切削量が多い自動運転の場合などでは,切り屑がたまります。特にアルミニウムのような長い切りくずはバイトやエンドミルなどの工具にからまることがあるので要注意です。
切りくずがたまった自動運転中のNC旋盤
●プログラムの入念なチェック
 数値計算をするようなシミュレーションプログラムと比べると,NC機械のプログラムの間違いは致命的です。プログラムが実行されずにエラー表示がされるだけであればよいのですが,工具が意図しない動きをすると大事故につながります。はじめて動かすプログラムなどは,入念なチェックが必要です。
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