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続:機械加工の基礎知識
NC旋盤/マシニングセンター |
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マシニングセンター |
★MDI運転 |
マシニングセンターのプログラムを作成し,自動運転を始める前にMDI運転モード(1行ずつの命令でマシニングセンターを操作するモード)を試してみます。MDI運転モードは,プログラム作成時の動作確認にもよく使います。 |
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●MDI運転モードの基本操作
MDI運転モードとは,1行ずつの命令でマシニングセンターを操作するモードです。MDI運転モードの基本操作は以下の通りです。
@MDI運転モードにする。
A1行のコードを入力する。
B「書き込み/実行」ボタンを押す。
C「NC起動」ボタンを押して命令を実行する。 |
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MDI運転モードの基本操作(MPEG,2.9MB) |
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●工具交換
MDI運転モードでは,「T+2桁の数値」のコードで次の工具を設定し,「M06」を指定して工具を交換をします。例えば,「T05」(05は工具番号)→「書き込み/実行」→「NC起動」と操作し,「M06」→「書き込み/実行」→「NC起動」とすると,5番の工具に交換できます。
【補足】工具番号
工具番号と工具が納まるATCの番号は異なります。 |
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工具交換(MPEG,0.9MB) |
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●主軸の回転数レンジと回転数の設定
マシニングセンターの主軸を回転させる前に,M40(低速レンジ)またはM41(高速レンジ)で回転数レンジ(ギヤ)を選択し,「S+数値」で回転数を設定します。例えば,「M41
S1000」と入力すると,高速ギヤが選択され,主軸の回転数が1000rpmに設定されます。
一度,回転数レンジを設定すれば,「S+数値」だけで回転数の設定ができます。 |

主軸の回転開始と停止(MPEG,2.8MB) |
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●主軸の回転開始と停止
主軸を回転(正転)させるコードは「M03」,停止するコードは「M05」です。主軸を逆転させるコードは「M04」ですが,ほとんど使いません。 |
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●切削油のON/OFF 切削油を出すのは「M08」,止めるのは「M09」です。 |
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●早送り
バイトを早送りするコードは「G00」です。使用する場合は,「G00 X150」(X座標を150まで移動),「G00
Z200」(Z座標を200まで移動),あるいは「G00 X150 Y0 Z200」(座標(150,0,200)まで移動)などのように,G00の後に行き先のXYZ座標を入力します。
【注意】工具をぶつけないように!
G00の早送りは,かなりのスピードで動きます。工具をバイスやテーブルにぶつけないように,座標設定を慎重にする必要があります。操作に慣れるまでは,操作パネルで設定できる早送りオーバーライドの値を下げておくとよいでしょう。 |
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バイトの早送り(MPEG,0.5MB) |
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●切削送り(直線補間)
切削送りのG01コードは,実際の切削加工で最も重要なコードです。使い方は,「G01
X80 F200」のように,行き先の座標と送り速度F(mm/min)を指定します。
【補足】送り速度F
送り速度Fの値を一度設定すると,次に指定するまで,同じ設定値を保ちます。 |
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バイトの切削送り(MPEG,1.2MB) |
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●MDI運転で模擬自動運転
以上のコードを覚えておけば,MDI運転モードで,汎用フライス盤と同じような使い方をできます。まずは,MDI運転モードで1行ずつコードを入力・実行し,マシニングセンターの動きに慣れておきます。その後,プログラムを作成し,それぞれのコードを順番に実行するようにすれば,自動運転が可能となります。 |
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