続:機械加工の基礎知識
NC旋盤/マシニングセンター
 マシニングセンター
★手動運転
 まずはマシニングセンターの動きに慣れるため,手動運転をしてみます。汎用フライス盤を使ったことがあれば,マシニングセンターの動きにとまどうことはありません。ただし,汎用フライス盤の操作に慣れているほど,運動軸(特にX軸とY軸)の正負記号の違いには注意が必要です。
●材料の固定
 汎用フライス盤と全く変わりません。テーブルに固定したバイス(万力)や専用のクランプを使って材料をしっかりと固定します。
バイスで固定した部品の加工
●工具の選択
 主軸に使用する工具・ツーリングを取り付けます。使用する工具・ツーリングがATCに納められている場合は次の手順で工具を交換します。

@MDI運転モードとします。
A使用する工具番号を指定します。例えば工具番号01を使用したい場合は「T01」と入力します。
B「書き込み/実行」を押します。
C「NC起動」を押します。
D「M06」(工具交換のコード)と入力します。
E「書き込み/実行」を押します。
F「NC起動」を押します。
G手動入力モードに戻します。

工具交換の設定画面
●主軸の回転
 主軸の回転数レンジ(ギヤ)を選択し,主軸の回転数を設定します。この操作は手動運転モードではできません。次の手順で設定します。

@MDI運転モードとする。
A例えば「M41S800」と入力する。(ここで,M41は高速レンジの選択(低速レンジはM40),S800は回転数(rpm)を表しています。)
B「書き込み/実行」を押します。
C「NC起動」を押します。
D手動入力モードに戻します。

 以上の設定を終われば,手動で主軸を回転させることができます。正転ボタンを押すと主軸が回転し,停止ボタンを押すと主軸が止まります。

主軸の回転
●早送りと切削送り
 操作パネル上のボタンやスイッチ,パルスハンドルを使って,テーブルや工具を動かすことができます。運動軸が多いマシニングセンターでは,手動操作はかなり複雑です。
 パルスハンドルのX軸,Y軸またはZ軸を設定し,ハンドルを回します。倍率の設定によって,1ノッチ当たりの移動量が変わります。
 回転している工具を材料に当てれば,手動で材料を削ることができます。

パルスハンドルの操作
●手動運転モードに慣れる
 パルスハンドルの操作に慣れれば,マシニングセンターの動きは汎用フライス盤の動きと変わりません。(能率的な作業でないことはすぐに実感できると思いますが。)
 プログラムを作って自動運転をする前に,マシニングセンターの動きや刃物の切れ味に十分慣れておく必要があります。
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