続:機械加工の基礎知識
NC旋盤/マシニングセンター
 NC旋盤
★プログラム操作と自動運転
 NC旋盤のプログラムを作成し,自動運転を行います。以下,MDI運転モードで学んだ基本的なコードを使用し,簡単なプログラムを作成します。プログラムをあまり難しく考える必要はありません。汎用旋盤を動かすときの作業をプログラム化すればよいのです。
●プログラム作成から自動運転へ
 NC機械の最大の特徴は,自動運転が可能なことです。その大まかな流れとしては,プログラム作成モードで,プログラムを作成あるいは編集し,保存します。その後,自動運転モードにして,プログラムを読み込み,実行させます。
プログラム作成から自動運転の流れ
●NCプログラムの流れ
 プログラムの基本的な流れは,工具の設定(工具交換が必要な場合),ギヤ・回転数の設定,運転開始(主軸回転,切削油),バイトを初期位置へ移動(早送り),切削送り,バイトの逃がし,終了処理となります。
【簡単なプログラム例】
 主軸を回転させ,Z軸方向に切削送りをするプログラムです。
N001 M42S250 ギヤと回転数の設定
N002 M03 主軸正転
N003 M08 切削油・入
N004 G00 X100 Z150 早送りで移動
N005 G01 Z100 F0.2 Z軸方向に切削送り
N006 G00 X120 Z150 早送りで移動
N007 M09 切削油・切
N008 M05 主軸停止
N009 M02 プログラム終了
●主なファイル操作
■プログラムの新規作成
 新しいプログラムを作成します。
【補足】拡張子について
 一般のNCプログラムの拡張子は,「.MIN」です。編集や読み込みでは「.MIN」を省略できます。
【手順】
@プログラム操作モードにする。
A「ヘンシュウ」(F4)を押してから,「新しいファイル名」を入力します。
B「書き込み/実行」ボタンを押します。
Cコードを入力し,1行ずつ「書き込み/実行」ボタンを押します。
Dすべての入力を終えたら,必ず「シュウリョウ」(F7)を押して終了します。(これを押さないとプログラムが保存されません。)
■プログラムの編集(修正)
 既に作成してあるプログラムを編集します。
【補足】編集時の機能
 実際のプログラムの編集では,画面下のファンクションキー(F1〜F8)を利用します。次の機能をよく使います。
  • ページ↑:前ページを表示(F1)
  • ページ↓:後ページを表示(F2)
  • L-ソウニュウ:1行挿入(F5)
  • L-ショウキョ:1行削除(F3)
  • C-ソウニュウ:1文字挿入(F6)
  • C-ショウキョ:1文字削除(F4)
【手順】
@プログラム操作モードにする。
A「ヘンシュウ」(F4)を押してから,「編集するファイル名」を入力します。
B「書き込み/実行」ボタンを押します。

Cファンクションキー「ページ↑」(F1),「ページ↓」(F2)あるいは矢印キーを押して,編集する位置に合わせてプログラムを修正します。
D必要に応じて,「L-ソウニュウ」(F5)やL-ショウキョ」(F3),「C-ソウニュウ」(F6),「C-ショウキョ」(F4)を利用します。
E編集を終えたら,必ず「シュウリョウ」(F7)を押して終了します。(これを押さないとプログラムが更新されません。)
■プログラムのコピー
 プログラムファイルに,新しいファイル名を付けて保存します。ただし,Windowsのファイルのように,プログラムの編集後に,「名前を付けて保存」をすることはできません。別名のファイルを作成したい場合は,あらかじめ,プログラムのコピーをしておく必要があります。
【手順】
@プログラム操作モードにする。
A「テンソウ」(F3)を押します。
B「コピー」(F4)を押してから,「コピーされるファイル名」,「コピーするファイル名」と入力します。
 例:OLDFILE.MIN,NEWFILE.MIN(ファイル名をカンマで区切る)
C「書き込み/実行」ボタンを押します。
■索引
 NC旋盤内のメモリに格納されいるプログラムのリストを表示します。
【手順】
@プログラム操作モードにする。
A「サクイン」(F2)を押します。
B「書き込み/実行」ボタンを押します。
C1画面で表示できない場合は「BS」または「書き込み/実行」ボタンを押します。
■プログラムの削除
 NC旋盤内のメモリに格納されいるプログラムを削除します。
【手順】
@プログラム操作モードにする。
A「カクチョウ」(F8)を押します。
B「ショウキョ」(F3)を押してから,「削除するファイル名」を入力します。
B「書き込み/実行」ボタンを押します。
●自動運転の実際
 プログラムの作成・保存を終えたら,プログラムを実行し,自動運転を試します。最初は,ゆっくりとした動きをさせて,いつでも機械を止められる状態にして動作確認を行います。
【重要】プログラムの停止
 起動ボタンの下にある停止ボタンを押すと,実行中のプログラムは停止します。さらに,リセットボタンを押すと,主軸の回転が止まります。
【手順】
@自動運転モードにする。
A「P-センタク」(F1)を押してから,「読み込むファイル名」を入力します。
B「書き込み/実行」ボタンを押します。
Cプログラムが読み込まれていることを確認します。
D「起動」ボタンを押します。
PREVIOUS NEXT
[NC/MC TOP] [Koichi Hirata HOME] [NMRI HOME]
Contact: khirata@nmri.go.jp