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続:機械加工の基礎知識
NC旋盤/マシニングセンター |
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NC旋盤 |
★MDI運転 |
NC旋盤のプログラムを作成し,自動運転を始める前にMDI運転モード(1行ずつの命令でNC旋盤を操作するモード)を試してみます。MDI運転モードは,プログラム作成時の動作確認にもよく使います。 |
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●MDI運転モードの基本操作
MDI運転モードとは,1行ずつの命令でNC旋盤を操作するモードです。MDI運転モードの基本操作は以下の通りです。
@MDI運転モードにする。
A「ニュウリョク(F1)」を押す。
B1行のコードを入力する。
C「書き込み/実行」を押す。
D「起動」を押して命令を実行する。 |
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MDI運転モードの基本操作(MPEG,2.9MB) |
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●工具の選択
MDI運転モードでは,「T+4桁の数値」のコードで工具交換をします。例えば,「T0303」(最初の03は工具番号,後の03は工具オフセット番号)となります。工具交換は,X軸またはZ軸のリミッタが働いている状態でないとできません。
【補足】工具パラメータ番号
工具番号と工具オフセット番号を同じにしておくと,間違いにくくなります。当実験室のNC旋盤では,T0303は片刃バイト,T0606は中ぐりバイトに設定してあります。 |
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工具交換(MPEG,0.9MB) |
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●主軸の回転数レンジと回転数の設定
NC旋盤の主軸を回転させる前に,M41(低速レンジ)またはM42(高速レンジ)で回転数レンジ(ギヤ)を選択し,「S+数値」で回転数を設定します。例えば,「M42
S400」と入力すると,高速ギヤが選択され,主軸の回転数が400rpmに設定されます。
一度,回転数レンジを設定すれば,「S+数値」だけで回転数の設定ができます。 |

主軸の回転開始と停止(MPEG,2.8MB) |
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●主軸の回転開始と停止
主軸を回転(正転)させるコードは「M03」,停止するコードは「M05」です。ほとんど使いませんが,主軸を逆転させるコードは「M04」です。 |
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●切削油のON/OFF 切削油を出すのは「M08」,止めるのは「M09」です。 |
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●バイトの早送り
バイトを早送りするコードは「G00」です。使用する場合は,「G00 X150」(X座標を150まで移動),「G00
Z200」(Z座標を200まで移動),あるいは「G00 X150 Z200」(座標(150,200)まで移動)などのように,G00の後に行き先の座標を入力します。
【注意】バイトをぶつけないように!
G00の早送りは,かなりのスピードで動きます。バイトをチャックや芯押し台にぶつけないように,座標設定を慎重にする必要があります。 |
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バイトの早送り(MPEG,0.5MB) |
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●バイトの切削送り(直線補間)
切削送りのG01コードは,実際の切削加工で最も重要なコードです。使い方は,「G01
X80 F0.2」のように,行き先の座標と送り速度F(mm/rev)を指定します。
【補足】送り速度F
送り速度Fの値を一度設定すると,次に指定するまで,同じ設定値を保ちます。 |
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バイトの切削送り(MPEG,1.2MB) |
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●MDI運転で模擬自動運転
以上のコードを覚えておけば,MDI運転モードで,汎用旋盤と同じような使い方をできます。まずは,MDI運転モードで1行ずつコードを入力・実行し,NC旋盤の動きになれておきます。その後,プログラムを作成し,それぞれのコードを順番に実行するようにすれば,自動運転が可能となります。 |
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