熱交換器の構造

 熱交換器の外観を下の写真に示します。また、熱交換器の主な仕様を下の表に示します。


ヒータ

 伝熱面積やシリンダ径等を考慮して、ヒータ本数は10本としています。ヒータの詳細な寸法を決定するために、様々な伝熱計算を行いました。試作エンジンの熱交換器は特殊な形状をしています。ディスプレーサピストンの上部に取り付けられたヒータインナーチューブは、アウターチューブに接触することなく往復動します。熱交換器の伝熱特性を向上させるためにはインナーチューブとアウターチューブとの隙間を狭くした方がよいのですが、加熱によるヒータチューブの変形やディスプレーサ軸のねじれを考慮すると限界があります。これらの問題を考慮した後、インナーチューブとアウターチューブとの隙間を1.45 mmとしました。
 ヒータの外部には11枚のフィンが取り付けられています。これは伝熱面積を増加させると同時に、ヒータの変形を防ぐ働きをします。


再生器

 再生器はディスプレーサピストンに内蔵されています。再生器には2種類のマトリクスを採用しました。一つは従来から用いられているステンレス製の金網、もう一つはニット状に織り込まれたステンレス線をプレスしたスプリングメッシュと呼ばれるものです。これは安価で製作でき、組立性に優れた再生器マトリクスです。


クーラ

 試作エンジンは小型ポータブル発電機用に開発されたため、クーラは空冷方式が可能なように設計されました。クーラチューブは銅製で、ヒータと同様な構造をしています。
 初期の実験では、水冷ジャケットを取り付けて、水道水による水冷方式としています。


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