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ロバート スターリング

スターリングエンジンの実際的な開花は、スウェーデンの発明家兼技術者のJ.エリックソンによって成されました。彼はイギリスとアメリカで当時としての実用的なスターリングエンジンの製作に成功し、1850年頃までには実に2000台近くの0.5〜5馬力クラスのエンジンを販売しました。そしてその後、高出力、高効率を目指して、多くのスターリングエンジンが作られました。しかし、1877年にN.オットー(ドイツ)により発明されたオットーエンジン(現在のガソリンエンジン)、1893年にR.ディーゼル(ドイツ)により発明されたディーゼルエンジンが当時のスターリングエンジンに比べて高性能であったため、スターリングエンジンは次第にオットーエンジン、ディーゼルエンジンの陰に隠れ、小出力の範囲で細々と生産されるようになりました。

再びスターリングエンジンが脚光を浴び始めたのは1940年頃、オランダのフィリップス社が、携帯用無線機の動力源としてスターリングエンジンの研究を開始したときからです。そして1950年頃、出力200W程度の試作スターリングエンジンが完成しました。またその同時期に、冷凍機としてのスターリングエンジンの研究もしており、マイナス200度まで下げることに成功しました。しかし、小電力で起動するトランジスタが発明されバッテリが最も有効な動力源となり、無線機の動力源としての実用化はなりませんでした。
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