シール機構
試作エンジンの主なシール装置には,ディスプレーサ及びパワーピストンのピストンシール,ディスプレーサ・ロッドの往復動軸シール,出力軸端の回転軸シールがあります。これらには様々な形式のシールを採用できるように設計しました。
最初の試作段階では,ディスプレーサには,幅2 mmのストレートカットリング(PTFE製)を使用し,その内側にステンレス鋼製針金(線径0.9 mm)を用いたテンションリングを配置しています。パワーピストンには幅19 mmのエンドレスリング(PTFE製)を採用し,高いシール性能を確保しました。これはパワーピストンの直動ガイドとしても機能します。ディスプレーサ・ロッドの往復動軸シールには,ガイドを兼ねたすべり軸受(ASK社)を用いています。
また,回転軸シールには,リップシールを使用しましたが,その後の機械損失の測定結果によってリップシールは小型エンジンには摩擦損失が大きすぎることがわかりました。そこで,回転軸シールを省略するため,発電機をクランクケースに内蔵すること(ハーメティック化)を試みました。
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