基本構造

 右図はMini-Ecoboyの構造を示しています。このエンジンは,ディスプレーサとパワーピストンとを直線上に配置したγ形です。再生器をディスプレーサに内蔵することによりエンジン内の空間を有効に利用できます。さらにその上部と下部にそれぞれ簡易的な内管往復動式ヒータ及びクーラを配置することによってエンジンの小型化・低コスト化を図りました。
 Mini-Ecoboyの主要寸法と目標性能は,多種エンジンの実測データに基づく性能予測法を用いて検討しました。最終的にシリンダ径を36mm,ストロークを10 mm,目標軸出力を50W/4000rpmとしています。エンジン内最高圧力(許容圧力)は,一般に市販されている配管部品の利用を考慮して,1.1 MPaに設定しました。ヒータ管最高温度は,ヒータ管材料の強度と肉厚との兼ね合いで決定されます。ここでは,材料にSUS303を用いることにし,ヒータ管最高温度を650〜800 ℃としてヒータの設計を行いました。また,4000 rpmと高回転数で運転するエンジンでは,バランス性に優れたピストン駆動機構が必要であると考えて,ロンビック機構を採用しました。


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