第12回海上技術安全研究所講演会を広島市で開催

SEMINAR

平成24年10月12日
独立行政法人 海上技術安全研究所

約350名が参集、省エネ・環境対策技術をテーマに

 海上技術安全研究所は10月9日、広島市内のホテルで2012年度講演会(12回目)を開催しました。「環境技術、いかにして国際競争力に結びつけるか」という視点から来年1月からのCO2排出規制に対応した省エネルギー・環境対策技術をめぐって6名の講演者がそれぞれ講演を行いました。国際的な排出規制や環境技術への関心の高さを反映し、会場には約350名の人々が来場し、熱心に聴講しました。

 講演は前半の特別講演と後半の研究講演の2部構成。特別講演では、出張で欠席した国土交通省の森雅人海事局長の代わりに加藤光一安全・環境政策課長が「海事分野における環境技術行政の方向性」について講演。CO2排出削減に向けた枠組みづくりの進捗状況や天然ガス燃料船の推進などについて説明しました。

 ナカシマプロペラの中島基善社長は「クオリティ海事国家への挑戦~理念と取り組みへの提言」と題して講演、「海事クラスターをデジタルとアナログの要素による複合体と考えるような“クオリティ海事産業”として取り組む。マーケットは世界であり、販売品目はジャパン・クオリティ。日本的な和と団結力を打ち出していくことが重要」と語りました。

 日本海事協会(NK)の中村靖副会長は「日本の将来技術をどう構築するか」と題して講演。NKが近年、異業種サービスと国際的にコラボレーションしている状況を紹介し、今後の海事産業について「国内で完結できて生き残れる事業ではない。海を越えてコラボレーションすることだ。世界に出て行くのは大変だが、それに耐えられるだけの能力を日本は持っている」と語りました。

 後半の研究講演では、当研究所の佐々木紀幸研究統括主幹・EEDIプロジェクトチームリーダーが「EEDIフェーズ3に向けた海技研の取り組み」、宇都正太郎流体設計系長が「船舶の実海域性能向上への海技研の取り組み」、千田哲也研究統括主幹・海洋環境評価系長が「動力システムの省エネルギーおよび環境対策の動向」についてそれぞれ発表しました。

 なお、同日は会場入口でHope Lightの展示・説明コーナーも開催しました。

会場風景

海事局安全・環境政策課 加藤課長

ナカシマプロペラ 中島社長

日本海事協会 中村副会長