講義ノート:もの作りのための機械設計工学
第8章 市販部品を利用する設計

8.4 直線運動伝達部品



 最近のメカトロニクスの発展やロボット開発などから,リニア運動(直線運動)部品が必要とされている。クランク機構などを使って回転運動を往復運動に変換したり,あるいは回転運動用の部品を流用したりすることもできるが,以下に紹介するような市販部品をうまく利用することで,迅速な機械設計・開発が可能となる。



8.4.1 直動軸受

 第5章では,回転運動に利用するための転がり軸受について説明した。図8.33に示す直動軸受(リニア軸受)は,回転運動用の転がり軸受と同様,球の転がり運動を利用している。回転運動用の軸受を扱っているほとんどのメーカで直動軸受を扱っている。


(a) 直動軸受
ASK HPより)


(b) 直動軸受
オイレス工業 HPより)


(c) 直動軸受
THK HPより)

図8.33 直動軸受


8.4.2 リニアアクチュエータ

 直線運動を行うためのアクチュエータ(リニアアクチュエータ,リニアモータ)としては,図6.9に示したような回転式モータとラックを利用したもの,サーボ制御を利用したもの(図8.34),油圧や空気圧を利用したものなど,様々なものが市販されている。


図8.34 リニアモータ
日機電装HPより)



8.4.3 カムフォロア

 直線運動とはやや異なるが,カム機構などの支持などに使うための部品が,図8.35に示すカムフォロアである。このカムフォロアは,内部にニードル軸受が組み込まれ,カム機構や直線運動のガイドローラとして用いられる。


図8.35 カムフォロア
THK HPより)



8.4.4 ロッドエンド

 図8.36に示す球面ジョイントは,往復運動のロッド端部の取り付けに用いられる。取り付け部の遊びが少ないため,適切に利用すれば,精度の高い運動が可能である。


図8.36 ロッドエンド
THK HPより)


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