![]() |
講義ノート:もの作りのための機械設計工学 第10章 機械設計の高度化
本講義の終わりとして,機械設計者を目指す受講者へのコメントをまとめる。 ![]() 機械設計では,考えられるあらゆる方法(構造)を考えることが重要である。機械に関する知識や経験が少ない場合,最初に思いついた方法がベストな方法であると思いこむことが多いようである。最初に思いついた方法がベストであることはほとんどなく,ある程度の時間をかけて,しっかりと考えることで,さらにベターな方法を思いつくのが普通である。幅広い知識と興味を持ち,様々な方面から機械を見つめることが重要である。
![]() 機械への興味が強すぎたり,あるいは機械設計に集中しすぎたりすると,機械設計に多くの時間を費やしてしまう。機械設計に時間をかけることで,より高度な機械を開発できるかもしれない。しかし,機械は常に進歩するものであるので,機械設計や機械製図はできる限り短時間で終了させなければならない。機械設計の迅速化を図る方法としては,JISなどの規格部品を積極的に利用すること,CADをうまく利用すること,そして多くの知識を持つと同時に工学的な「勘」を養うことなどがあげられる。
![]() 現在の工学分野では,いわゆる「分業」で作業が進められる。一般の企業(メーカー)では,設計者が機械加工をすることはほとんどない。場合によっては,設計者が製図をしないこともある。メーカーが生産性を重視すること,それを最適化すると分業作業になることは否定できない。しかし,自らが考えた発想を「手作り」で製作することは,新たな発想を産むことにつながり,その後の工学・工業技術の発展につながるものと考えている。
|
[ Previous ] [ Mechanical Design ] [ Next ] [ Hirata HOME ] [ Power and Energy Engineering Division ] [ NMRI HOME ] |
![]() |
Contact khirata@nmri.go.jp |