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動揺している船舶における手動車いすは,操作が難しくなり,安全性に問題があることが明らかになりつつあります。しかし,実際の手動車いすを用いた実験では,船舶の動揺を模擬する大型実験装置あるいは実船実験の実施が必要となり,その実験はかなり大がかりになります。また,操作の熟練度等によって走行特性が大きく異なるため,詳細なデータ測定を行うことはかなり難しくなります。そこで,私たちは縮尺1/3の模型車いすの開発を行い,手動車いすの走行特性の測定を試みています。 |
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![]() 手動車いすの特徴は,駆動力が断続的に加わること,駆動力やブレーキ力が加わっていない状態,すなわち慣性走行の状態があること,自動車のようなハンドルがなく左右後輪の駆動力差で旋回することです。 また,前輪キャスタは自由に回転できるので,車いすが傾斜面を横断する場合,車いすは落下方向に回転する力を受けます。つまり,傾斜面や動揺している船舶で車いすをまっすぐに走らせるには,傾斜に応じた駆動・ブレーキの操作が必要となるのです。 |
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直流モータに接続されたR/Cアンプには,マイクロコンピュータ回路が取り付けられています。マイクロコンピュータに書き込まれたプログラムによって断続的な信号が送られます。![]() |
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傾斜角度を3,5及び7°とした傾斜面を横断走行しました。その際,直進走行を保つように,山側ブレーキを手動でラジコン操作しました。そして,路面の上方に設置したビデオカメラによって走行軌跡を調べました。ブレーキ操作を手動で行っているため,走行軌跡はその操作によってかなり異なります。下の写真は,それぞれの傾斜角度における走行特性がよく現れた結果です。傾斜角度が小さい場合,一定の速度で直進走行ができるのに対し,傾斜角が大きくなると速度変動が大きく,左右への蛇行が大きくなっています。これは実際の車いすの走行特性や操作感によく一致しています。 |
![]() (a) 傾斜角3°の結果
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