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続:機械加工の基礎知識
NC旋盤/マシニングセンター |
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NC旋盤 |
★作業前の基礎知識 |
以下,NC旋盤を使い始める前に最低限知っておきたい知識です。もちろん,汎用旋盤の使い方や基礎知識も重要です。 |
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●NC旋盤でできること
NC旋盤の機能を簡単にまとめると,
@主軸を回転させる。
AX軸方向(直径方向)にバイトを動かす。
BZ軸方向(軸方向)にバイトを動かす。
C刃物台の工具を交換する。
となります。これら4つの動きを組み合わせることで,様々な形状の部品を削り出すことができます。
汎用旋盤と同じですが,@の主軸の回転では,回転数(rpm)の設定が重要になります。AおよびBのバイトの移動では切削時の送り速度と切り込み量の設定が重要になります。
また,Cの工具交換はNC旋盤特有の機能です。精密な部品を製作するために,工具の設定(取付位置の初期設定)が重要になります。
【重要】直径方向がX軸,軸方向がZ軸。しっかりと覚えておきたい。 |
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NC旋盤の機能 |
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●NC旋盤の運転モード
NC旋盤を動かす際のモードとして,手動運転モード,MDI運転モード(1行ずつのプログラムコードで操作するモード),自動運転モードがあります。
さらに,プログラム作成やファイル操作をするときのプログラム操作モード,工具位置を設定するための工具データ設定モード,座標操作をするための原点設定モード,パラメータ設定があります。これらのモードの切り替えは,操作パネルで行います。
【補足】それぞれのモードは・・・
上記のモードにおいて,工具データ設定モードと原点設定モードは最初の設定時だけに使用します。パラメータ設定はほとんど使いません。
手動運転をする場合は,手動運転モードとMDI運転モードを使います。(手動モードだけでは主軸を回転させることができません。)
自動運転をする場合は,主に自動運転モードとプログラム操作モードを使用します。 |
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NC旋盤の操作パネル |
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●ペダル操作 〜油圧チャックと芯押し台の操作〜
NC旋盤の油圧チャックと心押台の油圧スリーブの操作は,床面に設置してあるフットスイッチ(右写真)を使用します。
右写真において,左のフットスイッチが油圧チャックの開閉に使用します。右の2つのフットスイッチは芯押し台の油圧スリーブの移動に使用します。これらの操作は,この後に説明する手動運転・自動運転など,すべての運転で使用することになります。なお,心押台自身の移動は手動で行います。
【補足】チャックワークとセンターワーク 心押台を使う作業をセンターワーク,心押台を使用しないでチャックを使う作業をチャックワークと言います。その切り替えは操作パネルにあるスイッチで行います。 |
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NC旋盤のフットスイッチ |
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●生爪を使う
汎用旋盤では硬爪(かたづめ)と呼ばれるチャックを使います。これは手動で操作するものが多く,小さい直径からある程度の大きい直径まで様々な形状の材料を固定することができます。
一方,NC旋盤では生爪(なまづめ)と呼ばれる油圧チャックを使います。新しい生爪は,そのままでは材料をしっかりとチャックすることができません。使用する前には,材料の形状(外径または内径)に合わせて削っておく必要があります。
【関連プログラム】生爪生成プログラム |

新しい生爪(左)と加工用に生成した生爪(右) |
●生爪を削る
生爪を削る際,チャックメイトと呼ばれるジグを使うと便利です(右写真)。これをチャックに固定すると,チャックをしっかりと閉めた状態で,材料の直径に合わせた生爪の加工が可能になります。
なお,チャックメイトを使わないで生爪を削る場合,何らかの材料(できれば実際の加工物と同一の材料)をチャック中央に固定しておくことになります。 |

チャックメイトを使った生爪の加工 |
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