計測用車いすの開発

2001年1月 平田宏一

 実船実験などに使用するための計測用車いすを開発しました。本計測用車いすは,安価な測定機器を使用することにより,できる限りの低コスト化を図り,さらに実験のしやすさを考えて開発しました。以下,本計測用車いすの測定機器や測定プログラムを紹介します。
★計測用車いすの測定機器
 本計測用車いすは,汎用箔ひずみゲージにより車輪の回転トルクを測定し,ロータリエンコーダ(2000パルス/回転)により車輪の回転角度を測定しています。全ての測定機器の電源には乾電池または充電式電池を使用しています。100 Vコンセントなどの外部電源を必要としないので,場所を選ばず,手軽に実験することができます。

ハードウェアの紹介
キャリブレーション結果の一例
マイクロコンピュータのプログラム
CADデータのダウンロード
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★測定プログラム
 計測用車いすに搭載されているノートパソコンで使用する測定プログラム(Windows用)は,左右車輪の回転トルク及び回転角度をそれぞれA/D変換ボード及びデジタル入出力ボードに取り込み,速度や走行軌跡,仕事率(出力),変動率などを計算します。データを測定する以外にも,取り込んだデータを読み込み,表示することができます。実験のしやすさを考えて開発したプログラムです。

ソフトウェアの使用方法
プログラムの詳細とダウンロード

★測定結果の一例
 右図は測定結果の一例です。傾斜角が7 degの斜面(実験用傾斜台)において,縦断走行(登坂)及び横断走行(片斜面)をした場合の左右車輪の回転トルク(Nm)と速度(m/s)を示しています。ここで赤線は左車輪,青線は右車輪を表しています。これより,縦断走行と横断走行では,トルクの加え方や左右車輪の速度の特性などが全く異なっていることがわかります。本計測用車いすによって,このようなデータを容易に測定することができます。
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