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PF-300の直進性能実験

1999/11/22,24実験




直進運動実験

 今回の実験では,旋回性能実験用魚ロボット「PF-300」を用いて,尾柄と尾びれの周波数f,位相差β,振幅度Kaを変化させて,直進運動時の速度Vを測定しました。無線操縦で泳がせているPF-300をえい航用台車で追いかけ,1mの距離を泳ぐのに要する時間をストップウオッチで計り,速度Vを求めました。

実験中の藁科君(1999年度研修生)

周波数と速度の関係

 右の図は,振幅度Kaをパラメータとした場合,周波数fと速度Vとの関係を示しています。これより,周波数fを高くすると速度Vが上昇していますが,ある程度以上の周波数になると速度Vの上昇率が小さくなることがわかります。また,振幅度Kaが大きくなると速度Vも上昇しますが,振幅度Ka=0.6と0.8とではその差が小さいことがわかります。これは流体力学的な影響を受けていること,さらに現状のサーボモータのトルクおよび回転速度が十分に大きくないため,設定した運動に達していないことが原因であると考えられます。
 また,振幅度Ka=0.2の実験結果より,周波数fをある程度以上に高くしないと,推進力が抵抗力にうち勝てないため,前進速度が得られないことがわかります。


周波数と速度の関係
位相差と速度の関係

 右の図は,振幅度Kaをパラメータとした場合,位相差βと速度Vとの関係を示しています。これより,位相差が20〜50deg程度で最高速度が得られていることがわかります。一般には90deg程度の位相差で運動させた場合,高い推進効率が得られると言われていますが,今回の実験からは推進効率を求めることはできません。


位相差と速度の関係
振幅度と速度の関係

 右の図は,周波数fをパラメータとした場合,振幅度Kaと速度Vとの関係を示しています。これより,振幅度Kaが小さい範囲では,振幅度Kaが速度に及ぼす影響が大きいことがわかります。これは,上述したとおり,サーボモータが設定した運動に達していないことも影響していると考えられます。


振幅度と速度の関係
まとめ

 今回の実験において,PF-300の最高速度は,振幅度Ka=0.6,周波数f=2.3Hz,位相差β=20degにおいて,0.2m/s程度でした。全長当たりの速度は,今までに試作した模型魚ロボットと比べて高いとは言えませんが,PF-300は「高い旋回性能」を目指した魚ロボットであるため,やむを得ないと考えています。
 また,振幅度Kaと周波数fが小さく速度Vが遅いとき,PF-300は大きくローリング(詳細は後ほど)しながら前進することが確認されました。今後は,これらの挙動にも着目して研究を進めていきたいと考えています。

実験中のPF-300


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