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ホーム > 研究のご紹介 > 流体性能評価系 > 運動性能研究グループ
運動性能研究グループ
 運動性能研究グループでは、船の運動性能に関する研究を中心として、次世代型帆装船などの新形式船の研究や海中ロボットの技術開発など、海洋における移動体の運動性能に関する幅広い研究をおこなっています。
 これらの研究に伴う実験については、実海域再現水槽での自由航走模型および拘束模型を使った実験、400m水槽・中水槽での拘束模型実験、変動風水洞での荷重計測・可視化実験、深海水槽での海中ロボット実験、さらに大型船や小型滑走艇の実海域実験など、目的に応じて多岐にわたっています。
 運動性能研究グループは、海難事故原因の分析・究明や安全に関する国際基準および国内基準への技術的対応、所内外の研究課題の遂行、各種請負・共同研究等を通じて、安全で高度な海事技術の発展に貢献したいと考えています。
メンバー
グループ長大森 拓也
宮崎 英樹
塚田 吉昭
北川 泰士
鈴木 良介
研究紹介
新着情報
  • 論文公開中です。(2019.11.6.まで)
An experimental method to identify a component of wave orbital motion in propeller effective inflow velocity and its effects on load fluctuations of a ship main engine in waves;
Kitagawa Y., Bondarenko O., and Tsukada Y., Applied ocean research, 92, 2019.
(https://doi.org/10.1016/j.apor.2019.101922)
波浪中模型試験にて計測したプロペラ推力(あるいはトルク)を基にして、波浪中プロペラ有効流入速度モデルにおける成分の一つである波粒子運動成分の有効波振幅係数を同定する方法を提案しました。そして、主機特性を模擬する自航装置を用いて実施した波浪中自由航走模型試験で計測したプロペラトルク変動及び主機回転数変動を対象として、提案手法によって同定されたモデルによる計算結果がこれら計測値を精度良く推定できることを示しました。本論文ではこれらの詳細を報告しています。
期間限定(2019.11.6.まで)で下記から自由にダウンロードしていただけます。
https://authors.elsevier.com/a/1ZlI7W5Z38g7h

 

  • 写真集追加しました。
風荷重模擬装置を使った自由航走模型試験
補助推力装置と舵効き船速修正を使った自由航走模型試験
こんな研究やってます~やさしい解説~

 当グループで実施中の研究テーマと最近の技術トピックについてご紹介します。

(表題をクリックすると解説ページへジャンプします。)

 

模型実験の良いところは実際の現象を直接計測できることです。ところが、模型船は実際の船よりずいぶん小さいので、模型船の形を実際の船と同じになるように作っても模型船の現象は実際の船の現象とは必ずしも同じにはなりません。船の抵抗もそんな現象の一つです。この問題を解決して模型船の見掛けの抵抗を操ることのできる装置を作りました。

 

船の推進性能を調べるためには幾何的に同じ形をした模型船を使った水槽試験を行います。そして、模型試験を行う時はモーターを制御してプロペラの回転速度を一定にするのが普通です。ところが、実船のエンジンは負荷の大きさに応じて回転速度が変わります。そこで、実際のエンジンの動き方を再現したモーターを製作し、その制御方法を工夫することで模型試験で実船の推進性能を直に調べる方法を開発しました。

 

模型船の形を実際の船と同じになるように作っても模型船におこる現象は実際の船におこる現象とは必ずしも同じにはなりません。舵を取ったときの旋回運動や風や波による速度の変化も実はそういう現象です。この問題を解決して模型船を使った実験で実際の船の動きを調べる方法を見つけました。

 

研究課題と成果
  • 3次元耐航性理論による波浪中プロペラ近傍流場変動現象の解明とその簡易推定法の開発(日本学術振興会, 基盤研究(B), 2019-2021)
  • 船の衝突回避に必要な性能の解明と事故防止のための基準に関する研究(日本学術振興会, 基盤研究(B), 2019-2021)
  • 安全運航に必要な操船性評価手法の開発及び基準化に関する研究(海技研,重点研究4, 2016-2022)
  • 海難事故防止に資する事故解析及び予防技術の開発に関する研究(海技研,重点研究5, 2016-2022)
  • 水槽試験を活用した舶用推進プラントの実海域自動適応制御技術開発に関する研究(海技研,重点研究9, 2016-2020)
  • 実海域性能推定に向けた水槽試験法の高度化(海技研,基盤研究, 2017-2019)
  • 波浪中を動揺しながら旋回運動する船の運動履歴影響に関する研究(日本学術振興会, 若手研究(B), 2017-2019)

 

※ これまでの研究課題と成果に関する詳細情報は こちら
写真・動画集