お知らせ
第18回 海技研講演会を東京(所内講堂)で開催
GHG削減と次世代燃料実用化向け水素燃料電池に照準
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長=宇都正太郎)は11月6日(火)、東京三鷹市の海技研所内講堂にて「GHG削減戦略と次世代燃料実用化に向けた技術開発?2050年国際海運GHG排出量の半減を目指して?」と題した講演会を開催し、造船・海運・舶用工業など業界から、また大学や行政関係者など263名に参加をいただきました。
冒頭、宇都所長による開会挨拶後、講演第1部では特別講演として、国土交通省海事局海洋・環境政策課長の石原彰氏が「GHG削減に向けた海事局の取り組み」と題し、行政の取り組みを説明、本年4月にIMO(国際海事機関)で採択されたGHG削減戦略に示された高い目標を達成するためには、産学官の一層の連携強化が必要であることを示唆しました。また特別講演として、DNVGLの三浦佳範氏が、世界のエネルギー需要や輸送需要の変化についての予測を行い、今後CO2規制が強化されようとも、高い競争力を維持できる「カーボンロバストシップ」の考え方を示唆、将来はエネルギー効率の高い船舶が重要になるとの見方を示しました。特別講演の最後には、東芝燃料電池システム(株)取締役兼技師長の松田昌平氏が水素燃料の実用化の時期が意外にも早く訪れていることに言及、水素燃料が船舶に今後どう応用されるのか、また業界が果たすべき役割等についてご講演をいただきました。講演のまとめとして、うみそら研の大和裕幸理事長が挨拶とともに統括を行いました。
続いて第2部として、海技研主要研究施設を講演会参加者に特別公開し、実海域再現水槽、操船リスクおよびDPシミュレータ、エンジン・スクラバー、AUV、風洞の見学を挟み、第3部の研究講演では、冒頭に谷澤克治研究統括監がGHG削減にむけた所のビジョンの概要を説明、続いて平田宏一環境・動力系長が、水素燃料電池船の実用開発について説明をいたしました。続いて、辻本勝流体設計系長からは実海域実船性能評価の構築について、また講演最後には、小坂浩之知識データ・システム系上席研究員からは、GHG削減に関する国際動向について講演がなされました。講演終了後は多数の方より講演者への質問等が寄せられ、 船舶燃料新時代を迎える中での参加者の関心の高さが伺えました。

海技研所長 宇都正太郎

国交省 海事局 石原海洋・環境政策課長

DNV GL Maritime Japan
Deputy Country Manager
三浦佳範氏

東芝燃料電池システム(株)
取締役兼技師長
松田昌平氏

うみそら研 大和理事長

谷澤研究統括監

平田環境・動力系長

辻本流体設計系長

小坂知識データ・システム系上席研究員

司会を務めた吉原企画部長

実海域、AUVなど、エンジン以外の施設見学も盛況


参加者から研究者に活発な質疑が寄せられました。

第1部、第3部講演ともに、大盛況、満席に近い状態でした。